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週刊こぐま通信
「学習相談Q&A」

【質問25】

2007年5月11日 回答
受験生の皆さまの学習相談に、こぐま会室長がお応えします。

 図形分割の課題が苦手のようで、テストでもいつも点が取れません。どのような学習を心がけたら良いのか教えてください。

 小学校入試における図形課題の中で、出題が一番多いのは「図形構成」です。「図形分割」は「図形構成」と表裏一体の関係にありますから、「図形分割」の学習対策としては、まず「図形構成」において自信をつけることが大事です。「図形構成」の課題にもいろいろありますが、ピクチャーパズルをはじめとして、「基本図形の構成」や「三角形の構成」を繰り返し練習するのが良いと思います。その中でも繰り返し練習していただきたいのは「三角パズル」による図形構成です。入試問題のすべてが三角形を使った構成というわけではありませんが、三角パズルで身につく感覚が、図形構成において必要とされる基本的な技能や判断力を育ててくれるはずです。

 ところで、図形分割の課題には、分割したときにできる形とできない形に分けたり、ある形を作るためにどのように切ったら良いのかを考えさせる問題などがあります。分割線を自分で考えられるように、トレーニングする必要がありますが、その際に必要とされる基本は次の2点です。

  1. 大きな形から切り取っていく
  2. 切り取らなくてはならない形を、提示された位置だけでなく、回転させてさまざまな角度から眺める見方を身につける

 入試問題の多くは、ペーパーでの設問によるものですが、練習した同じ課題がそのまま出ることはまずありませんから、機械的な教え込みによって解決するものではありません。三角パズルをはじめとして、実際に作ったり壊したりする中で、分割の方法を身につけるのが良いと思います。こぐまオリジナル教材の中でも、図形構成や図形分割に関する教具・教材は大変充実しています。その多くが三角形による構成と分割ということになりますが、最近、「分割三角パズル」という教材を作りました。大きさの違う三角形を使って、見本と同じ形を作る課題ですが、子どもたちの挑戦意欲を掻き立てるのか、大変人気があります。特に、正方形を2等分した三角形1枚と、4等分した三角形2枚で見本と同じ形を作る課題などは、図形構成も図形分割も両方学習できて、とても役立つと思います。

 大きさの違う三角形を使って見本と同じ形を作る場合、まず大きい三角形がどこに隠れているのかを発見することが大事です。家の形のように明らかに大きな三角が目に見えていれば問題ありませんが、長四角を作るような場合には、大きな三角をどこに発見するかは難しいはずです。こうしたものの見方が図形構成において訓練されていけば、「図形分割」のときにも役立つのです。「構成―分割」を繰り返すことによって、図形のセンスが磨かれていき、そのことが図形教育の土台を作っていくことになるのです。

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