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週刊こぐま通信
「学習相談Q&A」

【質問17】

2007年3月16日 回答
受験生の皆さまの学習相談に、こぐま会室長がお応えします。

 第2回発達診断テストの結果を受け取りましたが、第1回目より成績が相当下がってしまい心配です。どのような対策をとったら良いのでしょうか。

 今回多くの方から受けた質問です。第1回目より成績が上がっていれば心配ありませんが、下がってしまったのでは、本当に心配です。しかし、順位や偏差値だけで一喜一憂しても、今後の学習方針は立ちませんから、返却された詳しいテスト本を見て、間違えたところを分析してください。分析する視点としては、次のような点に気をつけてください。

  1. 全く点の取れなかった、0点のところがあるのかないのか
  2. 個別テストやペーパーテストといった違った方法でのテストのうち、どのテストの出来具合が悪いのか
  3. その中で、特にペーパーテストの出来具合は平均点と比べてどのくらいか
  4. 行動観察や態度に問題はなかったのか
  5. 時間制限のある場合、時間内にどれだけできているか
  6. 個別テストで、答えの根拠を説明することができているかどうか

 以上の観点からチェックし、問題があるとすれば次のように考え、その対策をとってください。全く点の取れない問題があれば、その単元の理解がまだできていないのが理由ですから、その単元を徹底してやれば点数は大幅に上がります。問題は、同じ単元の質問の中で、最初のやさしいものは点が取れても、2問目3問目の難しい問題の点が取れない場合です。あるところまでは理解できてもその先が理解できていないということです。この場合2つの理由が考えられます。一つはトレーニング不足です。こちらのほうは、今後の学習で解決できますが、もう一つの理由として考えられるのは、お母さんはもう理解できたと思っても、子どものほうは、本当に理解できていないということです。これが一番困るのです。勉強の方法を見直し、本当に理解できるまで徹底してください。そのための方法は、ペーパーの前に事物体験をさせ、答えの根拠を説明させることです。

 個別テストでは点が取れてもペーパーテストになると点が取れない場合は、ペーパートレーニングが足りないということですから、今後ペーパーテストのトレーニングを増やしていけば解決できます。しかし、ペーパーは良くできても、個別テストの点が取れないとなるとこれは問題です。ペーパーだけのトレーニングを積んできた子にありがちですが、この場合は、本当に物事を深く理解しているのかどうか一度疑ってみてください。なぜなら、個別テストの場合、理由説明までできて満点になる場合が多いからです。理由説明ができないということは、本当に理解できていないのです。

 行動観察で点が取れていない場合は、その原因を突き止め、早急な対策をとらないといけません。なぜなら、この問題の解決には相当時間がかかるからです。友だちと上手に関われなかったり、聞かれた質問に対して無言であったり、困難な状況にぶつかると、あきらめてしまったり・・・そうした点を解決するためには、いろいろな経験が必要だからです。学習課題を解決するようにはいきません。集団活動の経験を増やし、表現力を高めるトレーニングが必要です。

 間違えた原因は、まだまだたくさんありますので、なぜ点が取れなかったのかを具体的に良く分析してください。その中には、1回の聞き取りで何をどう答えたら良いのかがわからなかったり、時間制限で点が取れなかったり・・・といろいろあるはずです。点数や偏差値にこだわりすぎて、こうした大事な点を見落とさないようにしてください。家ではできてもテストになると点が取れない・・・とよく相談を受けますが、一対一の学習ばかりではそうした現象が起こりえます。実際の入試と同じ条件(つまり集団テスト)で点が取れないのでは困ります。ですから、テストの結果が本当の力だと理解し、家での学習をもう一度見直す必要があります。

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