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週刊こぐま通信
「子どもはどこでつまずくか」(1)

量の相対化

2008年11月07日 回答
受験生の皆さまの学習相談に、こぐま会室長がお応えします。

【質問1】 
 コップに入ったジュース(絵カード7枚)を示し、あるものを基準に「~よりも多いジュースはどれか」「~よりも少ないジュースはどれか」という質問に正しく答えられません。これはどうしてでしょうか。

 量の学習において、一番身につけたいのは、「量の系列化」です。大きさの学習であれば「~番目に大きい」「~番目に小さい」と表現できるかどうかが課題です。そしてもう1つ大事なことは、量の相対的な見方ができるかどうかです。量は絶対的なものでなく、比べる対象によって、「~より大きい」と言えたり「~より小さい」と言えたりするように、常に相対的な存在なのです。

例えば、7段階のジュースがあったとします。


量の相対化に関する質問は次のように行われます。
  「桃色より多くはいっているジュースはどれですか」
  「青より少ないジュースはどれですか」

この際間違えやすいのは、「桃色より多いジュース」といっても、黄色を取らなかったり、「青より少ないジュース」といっても緑を取らなかったりすることがあります。たぶんその子は、7つのコップのジュースを見せられた時、これは多いジュース・これは少ないジュース・これは中ぐらいのジュースと決めてしまい、「~より」と基準が示されても、それに関係なく、「多い」といえば自分が多いと思ったもの、「少ない」といえば自分が少ないと決めたものしかとらず、その結果、黄色を取らなかったり、緑を取らなかったりするのです。つまり、相対的なものの見方ができていなく、量に言葉がくっついているように、量を絶対化してとらえているのです。

そうした子に対しては、次のような練習をしてください。大きさの違う3つの箱(つみ木)を出し(赤>青>黄)、大きい順に並べた後、青に注目させ、「青は黄色と比べると大きいけど、赤と比べると小さいね」というように、比べる対象によって、「より大きくも」「より小さく」もなるということをとらえさせるのです。相対的なものの見方が身につけば、「~より多い」や「~より少ない」が理解できるはずです。

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