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週刊こぐま通信
「今何を学習すべきか」

言語 基礎9 お話づくり1

2007/06/08(Fri)
 前回までは、言語領域の基礎である「言葉」についてお話しました。今回からは、幼児期の言語領域において大きな課題となる「聞く」「話す」について考えていきます。まずは「話す」から見ていきましょう。

 「話す」単元の中で、もっとも中心的に扱われているのが「お話づくり」です。実際の入試ではいろいろな出題形式が見られます。

  • 4場面の絵を順番に並べて、それに沿ってお話をつくる。
  • 4場面の中の3場面目が抜けていて、そこに何が入るかを考えてお話を完成させる。
  • 1場面の絵を使ってお話をつくる。
  • 1場面の絵を見て、何と言っているか登場人物のせりふを考えてお話しをつくる。

 こうしたお話づくりの中でも最も簡単なのが、初めにあげた4場面のお話づくりです。4場面であるため、起-承-転-結がはっきりと分かれているからです。この4場面のお話づくりのための教材として「こぐまお話づくりカード」 があります。4枚1組で12組、全部で48枚のカードがセットされています。
 下の絵をご覧ください。これはその中の1組です。これを例に、順序正しく並べることについて考えていきましょう。

A
B
C
d

 上のA~Dは、バラバラで順番に並んでいません。どのような順番に並べるのか考えてください。
 Aは、おじさんのかぶっていた帽子が飛んでいます。Bは、駅員さんが電車の中のおじさんと子どもに手を振っていて、おじさんと子どももそれに答えています。Cは駅員さんが帽子を拾ってくれています。Dは、おじさんと子どもがホームに立っています。
 この一連の絵を見ると、「帽子を飛ばしてしまい、それを駅員さんが取ってくれた」という流れが考えられます。ここで、Aの続きがCであることが分かります。また、Dの絵を見るとおじさんは帽子をかぶっていますから、ここから何らかの原因で帽子が飛ばされたと推理し、DがAの前にくると考えられます。さらに、Bはおじさんと子どもがすでに電車に乗っていて、子どもが駅員に手を振っていますから、お礼を言って二人は電車に乗ったと考えられます。このように考えると、正解は「D-A-C-B」となります。
 正しく並べるためには、このように一つ一つの場面をじっくり見て、その細かい違いに気を配り、4枚がどう違っているのかを考えなくてはなりません。時間的順序に沿って系列する教材としては、この「こぐまお話づくりカード」の他に「ひとりでとっくん85 時の系列」 があります。これらを使ってじっくり場面を見てその変化を捉える練習を行ってください。

 次回は、これを使ってお話をつくっていく方法を考えていきましょう。

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