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週刊こぐま通信
「今何を学習すべきか」

言語 基礎10 お話づくり2 登場人物のせりふ

2007/06/15(Fri)
 前回は、4枚の絵カードを時間的順序に並べる課題について考えました。そして、以下のように並べることができました。今回は、この4枚の絵カードを使って、お話づくりとせりふについて考えていきましょう。

A
B
C
D

 子どもがこの場面に沿ってお話を作ると大体次のような内容になります。

「お父さんと子どもがホームで電車を待っていました。風が吹いて、お父さんの帽子が飛んで、線路に落ちてしまいました。駅員さんが来て、長い棒を使って帽子を拾ってくれました。お父さんと子どもは電車に乗っていきました。」

 ただ、幼児にお話を作ってもらって気がつくのは、文を区切らずに言ってしまうということです。例えば、「電車を待ってて、帽子が飛んで、駅員が拾って・・・・」など「~して、」と続けますので、お話が長い一文になってしまいます。これでは、お話がだらだらして、けじめがありません。「電車を待っていました。帽子が飛んでしまいました。駅員が拾ってくれました。・・・・」などと一文を短く区切り、すっきりお話しすることを心がけましょう。

 次に気をつけたいことは、できるだけ内容豊かにお話しすることです。これは、ただ時間の流れに沿って話していくだけでなく、その時々の登場人物の気持ちを表現することが大切です。しかし、一口に気持ちを表現するといっても、これは難しいことです。
 この訓練には、例えば絵を見て何と言っているか、登場人物の「せりふ」を考えさせるというようなやり方がよいでしょう。今回の例では、次のような「せりふ」が考えられます。

  Bの場面  子ども「あっ帽子が飛んじゃった」
  Cの場面  お父さん「ありがとうございました」子ども「バンザイ」
  Dの場面  お父さん、子ども、駅員さん「さようなら」

 この「せりふ」を上のお話の中に入れていくと、お話はずっと変わってくると思います。

「お父さんと子どもがホームで電車を待っていました。その時風が吹いて、お父さんの帽子が飛び、線路に落ちてしまいました。子どもはびっくりして、『お父さん帽子が飛んじゃったよ』といいました。それに気がついた駅員さんがすぐに来てくれました。お父さんが『帽子が飛んじゃったんです。』というと、駅員さんは、長い棒を使って帽子を拾ってくれました。お父さんは、『どうもありがとうございました。』とお礼を言い、子どもは、『バンザイ』と言いました。少したって、電車が来たので、お父さんと子どもは乗りました。電車が出るときに2人は、駅員さんに『さようなら』と手を振りました。」

 実際の入試でも、場面を見て「せりふ」を言う問題が出題されています。それほど「せりふ」はお話づくりにおいて重要な意味を持つと思います。

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