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週刊こぐま通信
「今何を学習すべきか」

その10 数 基礎 分類計数

2005/09/01(Thu)
「うちの子は、お風呂に入ったときにいつも100まで数を数えていますから、100までの数がきちんと数えられます。」というお母さん、それはただ数を唱えているだけで、「数が数えられるようになった」ことにはなりません。

「数が数えられるようになった」といえるためには、次のいくつかの段階がきちんとできていること必要です。20まで数えることを目標に具体的に考えて見ましょう。

  • 20まで正しく数が唱えられる。「・・・15,16,18・・・」というように途中の数を抜かさずにしっかり正しく言える。(数唱)
  • 20個ある具体物(おはじきなど)を「1,2,3・・・」と言う数唱と、数えていく指のスピードを合わせて正しく数えることが出来る。(このとき数えたものと、まだ数えていないものをきちんと分けることができる)
  • 30個あるおはじきの中から、20個のおはじきを正しく取ることが出来る。 

     数を数えることは、数の領域では最も基本的なことです。子どもたちも生まれてから現在まで、日常生活の中で、ものを数えたり、配ったり、対応付けたりするなどいろいろと数に関する事がらに触れてきていると思います。そうした体験の中で、知らず知らずのうちに数の理解を深めています。これを数の自己教育といいます。しかし、それだけでは数の認識は深まりません。幼児期の数に関する課題は、数を意識化して、正しく数え、数に関する認識をしっかりと育てていくことにあります。

     こぐま会では、数の基本教材としては「こぐまドーナツおはじき」 があります。これを使って、2.,3. の課題に挑戦して下さい。( 1. はお風呂でもできます。) 1. はできても 2. が出来ない、2. は出来ても 3. は出来ないというお子さんが多いのではないでしょうか。一言に数を数えるといっても、このように難しいのです。また、数はその扱う範囲によっても難易度が異なってきます。小学校に入るまでに、1. の数唱は、100まで。 2.、3. については、ここにあるように20位でよいのではないでしょうか。

     さらに、数を数えるときには、リズムやスピードも問題になります。かなり早く数える子もいれば、ゆっくりと数える子もいます。しかし、どんなスピードでも正しく数えられなくてはなりません。そこで、上の3つからさらに発展した方法 4. として、次のような練習を行って下さい。

  • タンバリンやカスタネットをいろいろな速さでたたいて、その数だけおはじきを出す。

 たたくスピードは速くしたり、ゆっくりたたいたりして下さい。そして、それぞれのときに臨機応変に数えられるようにして下さい。

 おはじきできちんとできるようになったら、次はペーパーを使ってのトレーニングに移ります。これは、「ひとりでとっくん8 分類計数」 を使って下さい。「分類計数」は、いろいろなものの中で、数える対象になるものを選び出して数えていく課題です。2種類の中から1種類を選ぶ場合、4種類の中から2種類を選ぶ場合と様々な問題があります。具体的には、下の様な問題です。
(図1)

分類計数を行っていくには、初めの段階では、数えるものを一つ一つ消していく方法が良いと思います。一つ一つ消して行くことにより、全部数えたときにもう一度見直して、数え落としや2度数えがないかどうかを確認することができます。この時、数えた数を決して忘れないようにして下さい。忘れてしまうと、もう一度数えなくてはなりません。また、数え方も端の方から順番に数えて行って、1回で正しく数えられるようにして下さい。ばらばらに数えると、その数え方が癖になってしまうことがあります。

数を数えることは、数を理解していく上では、どうしても必要なことです。繰り返し練習して、間違えずに早く数えられるようにして下さい。

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