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週刊こぐま通信
「室長のコラム」

言語力に関する出題が増えています 2007年度入試問題より(2)

第82号 2006/11/24(Fri)
こぐま会代表  久野 泰可

 小学校の国語科につながる「言語領域」の出題は、「話の内容理解」と「お話作り」、それに、しりとりに代表される「言葉遊び」を加えた3つが中心です。「聞く力」と「話す力」の育成が幼児期の課題ですから、この3本柱は変わることはありませんが、最近の入試問題を見ると、その内容が工夫され、多様化しています。

 今年の私立小学校の入試問題の中から、「話の内容理解」以外の言語に関する問題をいくつか拾ってみましょう。
動詞の理解
ラッパは吹くものですね。同じようにこれから言う使い方のものに先生の言う印をつけてください。弾くもの・切るもの・塗るもの・叩くもの・挟むもの(雙葉)
絵の中で「つむ」という言い方をするものにをつけてください(白百合)
形容詞の理解
一番上のお部屋で「深い」と言わないものを2つ見つけて×をつけてください。(そのほか、「太い」と言わないもの、「冷たい」と言わないものなど)(横浜雙葉)
同頭音と一音一文字
たくさんの絵の中から「あ」から始まって、2つの音でできているもの、「ん」が2つ入っていて、4つの音でできているものなどを探す(東洋英和)
お話作り
3枚の絵の中で2枚目が抜けている。たくさんの絵の中からお話が続くように選び、お話をする(学習院)
問題解決
ブランコの絵がある(2つのうち片方にひとりの子どもが乗っていて、もうひとつには誰も乗っていない)。あなたがブランコに乗ろうとしたら、男の子が「ぼくが乗る」といってきました。あなたならどうしますか。(桐朋)
しりとり
しりとりをしたときつながらないものを探す(暁星)(立教女学院)
事物の説明
箱の中に入っているもの(車麩(くるまぶ)?)を説明する(青山)

 まだほかにもたくさんありますが、以前より量も増え、内容も多様化してきました。動詞を中心とした言葉の理解は、作文教育とのかねあいで重視されているはずですし、事物の説明や、問題解決能力は「話す力」を見ようとしているのだろうと思います。論理的思考力を重視した新指導要領は、国語を学習の基本と位置づけていますから、小学校入試の対策としても、言語力の育成に関する内容を吟味し、その指導に力を入れていかなくてはならないと考えています。

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