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週刊こぐま通信
「室長のコラム」

合格のための学習法(10) 本試験を一番良い状態で迎えるために

第72号 2006/09/15(Fri)
こぐま会代表  久野 泰可

 こぐま会のばらクラスは、9月5日から、最後の学習段階である「ステップ7」に入り、各領域別に、基本的事項の理解度をテスト形式でチェックしています。すでに、神奈川の学校では面接試験も始まり、また、東京都の願書受付を間近に控えて、ご両親にとって一番忙しい時期を迎えました。また一方でテストの結果が気になり、どうして成績が伸びないのかと、母親がイライラする日が続きます。子どもによっては、夏休みのがんばりの反動もあって、1年のうちで「母子関係が」一番悪くなる時期でもあります。願書を出し終えると、少し気持ちが楽になり、子どもと向き合う時間も確保できるはずですが、その時では修復が難しいほど,事態が進んでしまっているケースも出てきます。そんなことにならないよう、今のうちから子どもの動きを注意深く見守ってください。

 これまでも子どもの深刻な変化をいろいろ見てきましたが、一番多いのは、子どもが自信をなくし、それまで興味を持って取り組んでいた「お勉強」に興味を示さなくなることです。家庭では、反抗的な態度で「学習」を拒否するケースもありました。間違えると急に泣き出したり、丸がもらえないと思う問題には最初から手をつけず拒否したりする子も授業でよく見られました。私たちが予想する以上に、子どもたちにプレッシャーがかかっているのです。叱咤激励してがんばりぬける子であれば、そのように対応すればいいのですが、多くの場合、逃げ場を失って、身体的にも精神的にもバランスを欠いてしまうのです。

 そうなると、今まで身につけてきた基本的な能力も十分発揮できなくなり、お母さんも焦りを感じます。そのお母さんの焦りが、子どもに過度な要求をする結果になり・・・こうなるともう悪循環の始まりです。その意味で、入試1ヶ月前の「母子関係」のあり方は、合否に大きく影響してきます。

 本試験を一番良い状態で迎えるコツは、まずマイナス要因を作らないことです。そのひとつが、健康管理です。身体的な意味での健康管理も大事ですし、精神的な意味での健康管理も大事です。急に寒くなったりして、一番健康を害し易い時期ですから、その点の配慮は十分必要です。もうひとつは集中力を低下させないということです。この時期になって、ある課題が理解できないということはほとんどありません。しかし、実際の試験で得点数に開きが出てくるのは、問題の聞き取りに差が出てくるからです。集中力をいかに持続できるか・・・そのために、学習量と学習内容をどう調整するかがポイントです。個人差はありますが、一言で言えば、10月になっても、これまでと同じスタイルで学習し続けるということです。直前だからといって、勉強量を増やすことも減らすこともせず、これまでと同じペースでやり続けるということです。そして、学習内容はもう一度基本に戻るということです。夏に繰り返し学習した「基本学習ボード」がここで活用できるのです。

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