週刊こぐま通信
「室長のコラム」夏の学習課題(1) しっかりとした学習方針を持つこと
第206号 2009/7/17(Fri)
こぐま会代表 久野 泰可
こぐま会代表 久野 泰可
こぐま会ばらクラスは、7月11日で受験向けのすべての課題の学習を終了し、13日からは夏季講習会に入りました。今秋受験の皆さんは、これまでの基礎段階と応用段階で学習してきたことをこの夏もう一度おさらいするとともに、過去問や難問に挑戦し、学力の裾野をひろげておかなくてはなりません。初めて出される問題に対しても設問の意味をしっかり理解し、求められている答えを間違いなく導き出せるよう、応用力を高めておかなくてはなりません。夏の学習は、秋の入試にとってとても重要なものですが、方針もなくただペーパーをたくさんやらせれば良いというのでは効果は期待できません。
- 基礎学力を総点検する
- 受験する学校の入試傾向をつかみ、設問の方法と難易度を把握し、それに合わせた練習をする
- 2段階思考を要する難しい「複合問題」に挑戦する
こうした方針のもとで、子どもの学力の現状を踏まえた学習計画を立てる必要があります。その際、次のような視点も大切にしてください。
- 基礎が何で、応用が何であるかをしっかり掴み、基礎学力についてはさまざまな視点から質問し、答えの根拠を説明させること
- 受験する学校の出題傾向を10年間さかのぼって分析すること。領域ごとに分け(未測量・位置表象・数・図形・言語・推理・その他)それぞれの領域で頻繁に出される問題をしっかり練習すること
- 問題が複合化された場合、何が難しいのかをしっかり把握し、その対策を考えること。最近の問題の難しさは、「移動」「回転」「逆思考」「暗算」の要素が増えてきたことによるものであり、その点を意識したトレーニングを意図的に行うこと
- すべての問題において「考える力」が求められている。昔のように知能テスト的なパターン化された問題は一切出ない。少なくなったペーパー問題を通して学校側が何を見ようとしているのか。それを考えれば、トレーニングの方法は自ずからわかってくるはず。今の時代に合わない、学校側も求めていない「教え込みのトレーニング」では合格につながらない。「考える力」を育てること、この一点につきる。その柔軟な思考力によってこそ、まったく初めての問題に挑戦できるようになる
こうした視点を学習計画の中に取り込み、繰り返し練習することがこの夏の学習を効果あるものにするはずです。その意味で、すべての課題を終えたこれからの3か月間の総合トレーニングが重要です。また、子どもが飛躍的に伸びるこの夏の学習において一番重要なのは、家庭学習の時間の確保です。毎日おけいこに連れまわす生活では実力は身に付きません。信じた方法を家庭学習においても徹底することでしか、合格は勝ち取れません。