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週刊こぐま通信
「室長のコラム」

合格カレンダー

第205号 2009/7/10(Fri)
こぐま会代表  久野 泰可

 7月5日(日) 来年受験を迎える年中児の保護者の方を対象に、「来秋入試までの合格カレンダー」と題した教育講演会を行いました。来年秋の入試に向けて、どんな考え方で準備したらよいのかをお話しさせていただきました。「合格カレンダー」と題したことには2つの想いがあります。

  1. 子どもが物事を理解する道筋や教える内容の系統性を重んじ、基礎学力をひとつひとつ積み上げていく努力をしていただきたい。実際に出された過去問を機械的に教え込むのではなく、自ら考えて解いていけるような学力を時間をかけて育てることが大事である。毎日の地道な学習の積み上げ・・・、それは合格を目指す「カレンダー」そのものである。

  2. 10月後半から12月に行われる「小学校受験」は、当面の最大目標ではあるけれども小学校入試ですべてが終わるのではなく、それ以降続く「学び」の出発点であってほしい。子どもの学習は入試が終わっても続く。そのための基礎づくりを受験向けの学習を通して行い、そこで身につけた基礎学力を小学校の教科学習につなげていくことが大事だ。幼児期の教育を「投資」と考えれば、小学校受験ですべてが終わってしまうような教え込みの教育では莫大な無駄をしていることになる。入試が終わった後の教育も視野に入れながら家庭学習に打ち込むことが大事だ。その意味で、子どもが成長し続ける限り学びのカレンダーは続く。

つまり、着実な学力の積み上げと受験を通して基礎学力を育てる観点がどうしても必要だということです。その上で、具体的な1年間の学習計画を立て、その計画に基づいて、あせらず、じっくり時間をかけて準備してほしいということを訴えました。具体的な年間の学習計画は以下の通りです。この方針で臨めば間違いなく子どもは「考える力」が身につき、入試を万全な準備で臨むことができると確信しています。

合格カレンダー年間学習計画の骨子
  1. 11月からスタートして、5月連休前までにすべての領域の「基礎学力」を完成させる
  2. 夏休みに入る7月中旬までに、入試で問われるすべての課題を学習し終える
  3. 7~8月の夏季講習会では、過去問・難問に取り組み応用力を身につける
  4. 8月~入試までは、それまでの学習を総合させた「入試実戦トレーニング」を繰り返す
  5. 基本クラスの授業と連動させた学校別クラスを1月から開始し、夏休み前までにその学校で求められている能力水準まで高める
  6. 基本クラスの授業と連動させた内容で、家庭学習を進める
  7. 定期的に、学習し終えた内容の理解度をテストにおいてチェックする

こうした方針に基づき、こぐま会では年間の学習計画を立てています。そのことによって、学習の最初の段階から過去問トレーニングをするような間違った受験対策を取らず、その時期の目標に向かってがんばることができます。見通しの立たない受験対策ほど不安なものはありません。どの時期までに何ができていれば間に合うのか・・・そうした学習計画を前もって準備できてこそ、ゆとりをもって家庭学習に打ち込めます。

「5月の連休前までに基礎学力をきちんと固め、夏休み前までにすべての課題を学習し、9月~10月の2ヶ月間、入試向けの直前対策を取り、一番良い状態で入試を迎える」

これが私たちの進める「合格カレンダー」です。学校側から入試についての情報が開示されず、教科書もない小学校受験です。何が正しいのかの判断基準も不明瞭なため、早いうちから「過去問」に取り組ませる間違った受験対策が横行するのです。だからこそ実績に基づき、子どもの理解の道筋に沿った「合格カレンダー」が必要なのです。

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