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週刊こぐま通信
「室長のコラム」

これからの入試対策

2005/05/19(Thu)
こぐま会代表  久野 泰可
 11月から始まった新年度のクラスも半年あまり過ぎ、秋に受験を控えたばらクラス(年長クラス)の授業は、5月21日で「ステップ4」を終了し、基礎段階の学習を終えることになります。具体物を使った学習を中心に、考え方の基本を事物に即して学習してきましたが、入試問題の8割はこれまで学習してきたテーマに沿って出題されています。ですから、この「ステップ4」が終了しますと、多くの過去問が学習可能になり、これからが、ほんとうの意味で、実践的なトレーニングが出来る時期になります。これまで極力抑えてきたペーパーでのトレーニングを、これからは最大限時間をかけて行わなくてはなりませんし、ペーパートレーニングが一番意味を持つ時期になってきます。考え方の基礎が出来上がり、答えの根拠を言葉で説明できるようになった時期だからこそ、ペーパーで新しい問題に挑戦し、応用力をつけることが出来るのです。

 入試対策にとってもう一つ大事なことがあります。それは、志望校別の対策をしっかりとる事です。こぐま会では、基本クラスと並行して1月から学校別の指定校クラスを開講してきました。この6月からが最後の「ステップC」の段階に入りますが、基礎が固まり過去問をやる意味が出てきた今こそ、第一志望校の学校対策はしっかりととらなくてはなりません。その際、気をつけなくてはならないのは、必ず第一志望校に絞った講座をとらなくてはだめだということです。各学校で共通して求められる年長児としての能力は、一つの学校に偏るのではなく、また、入試に出たか出ないかに関係なく「教科前基礎教育」の考え方に沿って身につけなくてはなりません。こぐま会ではそれを基本クラスで実施しているのです。しかし、それだけでは各学校の入試に十分対応できませんので、各学校の傾向に対応したトレーニングがどうしても必要です。こぐま会では、「雙葉クラス」「東洋英和クラス」「聖心クラス」「慶応クラス」・・・のように各学校ごとにクラスを設け指導していますが、このことがとても大事です。小学校入試は、問題も出題方法も、合否判定基準もみな学校によって違います。行動観察一つとってみても同じものは一つもありません。ですから、あと半年足らずしかないこの時期の学校対策は、一つの学校に絞り込んだ徹底したトレーニングが必要です。「3校受けるから、どの学校にも通用するように・・・」という考え方は、小学校入試に限っては通用しません。三校に受かる対策を立てるのではなく、第一志望校に合格させるための対策をとらないと,三校とも合格できないということになってしまいます。逆に、第一志望校に合格するために徹底して学習することが、結果的に三校とも合格する近道であるということをよく知っておいてください。

 これから、応用学習の段階に入りますが、難しい問題をやることだけが入試対策ではありません。基本をしっかり身につけることが、遠回りのようでも、初めて出会う問題にも自信を持って対処できるのです。本当に基礎が身についているのかどうかは、少し難しい問題をやらせてみることと、答えの根拠を説明させることによって点検できますのでぜひ実行してください。

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