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週刊こぐま通信
「今何を学習すべきか」

推理 基礎2 回転推理2 ルーレット

2007/07/20(Fri)
 今回は「ルーレット」を題材にして、「回転推理」の考え方を見ていきたいと思います。「ルーレット」は下の図のように中央部分が回転していきます。これは、中華料理の回転テーブルなどをイメージすると考えやすいと思います。ルーレットについては、大まかに次のような2通りの問題が出題されます。

(1) キャラメルが茶色い洋服の子どものところに行くと、お団子はどこに行きますか。
(2) キャラメルが茶色い洋服の子どものところに行くと、青い洋服の子どものところには何がきますか。

 この問題においては、圧倒的に(1)の方が考えやすいのです。それは、順思考と逆思考の違いです。それぞれの場合の考え方の違いについて詳しく見ていきましょう。

 まず(1)です。回転推理で大切なことは、はじめの条件をしっかり聞き取ることです。この場合では、「キャラメルが茶色い洋服の子どものところに行くと」というところです。ここからテーブルをどのくらい動かしたらよいかを考えます。キャラメルは、現在青い洋服の子どものところにありますから、これを茶色い洋服の子どものところにもっていくには、右回りに3回回せばいいのです。この「3回回す」というところで、移動の考え方が出てきます。移動は、今いるところの次から数えていきます。いくつ移動するのか問題を聞き取ってすぐに考えることができるかがポイントです。それには、正しい聞き取りと正しい移動の数え方の両方が求められます。
 このように「3回回す」という条件を聞き取った後は、次の「お団子はどこに行きますか」という部分を考えます。回転テーブルは、テーブル全体が同じ方向に同じ数だけ回ります。したがって、キャラメルが右回りに3回回れば、お団子も同じだけ回るはずです。したがって、お団子も今いるところの次から右に1、2、3と数えて、赤い洋服の子どものところに行くという答えが出てきます。

 では、(2)の場合はどうでしょう。問題を見ると、「キャラメルが茶色い洋服の子どものところに行くと」という部分は同じです。しかし、次が違います。(1)では、「お団子はどこに行きますか」と聞いているのに対して、(2)では「青い洋服の子どものところには何がきますか」と聞いています。この場合、青い洋服の子どものところに回って来るものを、今度はお団子とは逆回りに考えていかなくてはいけません。1回回したらおせんべい、2回回したらビスケット、3回回したらショートケーキ、というように考えて、「ショートケーキ」という答えにいたります。

 このように詳しく見ていくと、(1)よりも(2)の方が難しいことがわかります。(1)は話の流れに沿って順番に考えて行けばよかったことを、(2)では逆に考えていかなくてはならないからです。子どもはこのように物事を逆に考える事が苦手です。しかし、苦手でもこうした逆思考を繰り返し練習することが論理的思考力の育成につながっていくのです。「こぐまルーレット」は上記の操作を実際に手を通して確かめることのできる教材です。こうした具体物を使って、経験を一つ一つ積み上げていくことがとても大切だと思います。

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