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週刊こぐま通信
「今何を学習すべきか」

推理 基礎1 回転推理1 立方体つみ木の回転

2007/07/13(Fri)
 これまで、このシリーズでは「未測量」「位置表象」「数」「図形」「言語」の主要5領域の内容について、いろいろな問題を取り上げてきました。今後は、この5つの領域に属さない「推理」「記憶」「常識」などについて考えていきたいと思います。

 今回は「推理」です。推理は、これまでに起こったいろいろな事象を総合して、次に何が起きるかを予想していくことです。それにはいろいろな内容が含まれますが、今回はその中でも比較的考えやすい「立方体つみ木の回転推理」について考えていきましょう。

 こぐまオリジナル教材の「こぐま回転つみ木」には、図1・図2のような立方体のつみ木がセットされています。

図1
図2

 今回は、回転推理を考えやすい図1のつみ木を使ってみたいと思います。
 図1のつみ木には、前面にクマの絵、その反対の面に傘の絵が描かれ、それ以外の4つの面は赤、青、黄色、緑の4色で塗られています。最も基本的な使い方は、クマの絵を正面、赤の面を上に向けてつみ木を置き、そこから右または左に指定された数だけ回転したときに、何色が上にくるかを考えさせる、というものです。
 右に回した例で考えてみましょう。上の面が赤の状態から右に1回回せば青、2回回せば黄色、3回回せば緑が上にきます。子どもたちにとって、1回、2回は比較的易しいのですが、3回回す課題となると難しくなります。赤の面から1、2、3と数えて「黄色」と言ってしまったり、左右を反対に考えてしまい、「青」と言う誤答が多く見られるのです。
 この原因はどこにあるのでしょうか。この時期の子どもたちは「論理的思考力がついてきている」といっても、まだまだ具体的なものに頼って物事を考えています。したがって、今ここにないものをイメージして考えていく「推理」という課題自体が、非常に考え難いのです。

 では、どのようにこの課題に向かえばよいのでしょうか。まず1つ目は、実際に体験してみることです。この場合で言えば、こぐま回転つみ木を実際に指示された方に、指示されただけ回転させながら、上にくる色をひとつひとつしっかり確認することです。こうした体験が表象化の土台になります。

 2つ目は、推理を1回1回丁寧に行うことです。初めの位置から、右に回したことをイメージして「1回回すとこの色が上にくる」、「2回回すとこの色が上にくる」、「3回回すとこの色が上にくる」と段階を追って考えていくことです。一挙に答えが分かるはずはありません。この課題は大人がやっても難しいのです。
 
 このように推理の問題については、実際に体験したことと、それを元に考えを積み上げていくことのくり返しだと思います。このくり返しから、問題にあった条件を一つ一つ丁寧に考えていく思考の方法を身につけてください。

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