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週刊こぐま通信
「今何を学習すべきか」

その19 数 基礎 数の増減

2005/11/03(Thu)
 駐車場に自動車が8台止まっていました。そのうち4台は出て行きましたが、直ぐに2台入ってきました。今駐車場には、何台の自動車が止まっていますか。

 これは、数の増減と言われる問題です。小学校に行きますと、たし算・ひき算に関連する問題です。これを式で表すと、8-4+2=6 答え6台 となります。
 これは、数が2段階変化していきますから、難しい問題です。ここに行く以前に、たし算やひき算の基礎になる問題を練習して下さい。これには「こぐまドーナツおはじき」などを使うとよいでしょう。次のようないろいろな場合を口頭で話して、それぞれいくつになるのかおはじきを出して考えさせます。

  • 鉛筆が5本ありました。また2本買ってきました。全部で何本になりましたか。その数だけおはじきを出して下さい。
  • お饅頭が6個ありました。3個食べると残りは何個ですか。その数だけおはじきを出してください。

 1. は5個のおはじきに、2個をたして7個になります。つまり数が増えるたし算の考え方です。ひき算には「求残」「求補」「求差」の3つの考え方があると、以前この連載の中でお話しました((12)「一対一対応」参照)。それと同様にたし算にも「合併」と「添加」と言う二つの考え方があります。「合併」は、赤いアメ2個と青いアメ3個を合わせると全部で何個になりますか。と言うように、時間的な差がなくいっぺんに一緒にする考え方です。それに対して「添加」は、上の問題のように、あらかじめあるものにいくつかを付け加えるような時間的な差があるものを言います。どちらも数を合わせればいいことは理解できると思いますか、意味の違いを理解して練習しておく必要はあります。
 これに対して、ひき算は、はじめは求補や求差はひき算と考えることが難しいので、上の 2. の例のような求残の考え方で指導するといいと思います。
 こうした問題を行う際に、最終的には話を全部聞いて、頭の中だけで数を操作して答えがいくつになるかを考えておはじきを出せればいいのですが、なかなかそうは行きません。次のような順序でおはじきを出したり、入れたりしながら考えて下さい。上の 2. の問題を例にあげて考えて行きましょう。
第1段階
「お饅頭が6個ありました。」といってその数だけおはじきを出させる。
次に「3個食べると残りは何個ですか。」と問いかけて、6個のおはじきから3個を取り去る操作をさせる。
第2段階
手をおひざにしてお話を全部聞かせて、その後おはじきを6個出し、3個取り去る操作をさせる。
第3段階
手をおひざにしてお話を全部聞かせて、その後おはじきを操作させず、答えの数のみおはじきを取らせる。または、口頭で答える。

 はじめの問題のように数が2段階変化する問題については、このやり方はさらに有効になります。はじめの数だけおはじきを出しておき、1回ずつの変化に沿ってその都度おはじきを操作させたり、はじめの数おはじきを出して、2回の変化を聞いた後それに沿っておはじきを操作させたり、全部の話を聞いてその後おはじきを操作するなどの順序を踏んで練習して下さい。
 はじめはおはじきを操作することは面倒かもしれません。しかし、これを繰り返し行うことにより数の操作をしっかり身につけることが出来ます。前回もお話しましたが、らくだからと言って指を使って行ってはいけません。数を内面化して、頭の中で暗算でできるようにするためには、是非おはじきを使って練習することをお勧めします。
 数の操作が十分にできるようになったら、「ひとりでとっくん46 数の増減」 を使って、ペーパーでのトレーニングを行って下さい。このときも、つまずいたら必ずおはじきを使って練習することに戻って下さい。

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