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週刊こぐま通信
「今何を学習すべきか」

その15 数 基礎 数の一対多対応

2005/10/06(Thu)
 前回等分を扱いわり算について考えてきましたが、今回はかけ算の考え方につながっていきます「数の一対多対応」を見ていきましょう。

「かけ算の考え方」
・昔の教え方 「かけ算は、たし算の繰り返しである」
 2+2+2・・・2×3
・今の考え方 「かけ算は、1あたり量が何個か集まったもの」
 トンボ3匹分の目の数
 2個×3 ・・・
 3個×2 ・・・×

1匹当たり目が2個なので、2個×3でなくてはいけません。答えが同じ6だからといって、3個×2では、目玉が3個あるトンボが2匹いることになります。

 かけ算には、確かにたし算の繰り返しという意味もあります。しかし、それだけでは ×小数や×0の意味が教えられないのです。かけ算を上記のように「1あたり量×いくつ分」と教えることは、先週取り上げたわり算の考え方もに関連がでてきて、とても考えやすいのです。この様に昔は、たし算とかけ算、ひき算とわり算がつながっていましたが、今は、たし算とひき算、かけ算とわり算がつながっていると教えています。

 幼児の生活の中にも、この「1あたり量×いくつ分」に関することはたくさんあります。お客さんが何人か来た時にお菓子を何個かずつ出すことなどがそうです。しかし、最も考えやすいことは、タイヤの数です。タイヤは、自転車は1対2、三輪車は1対3、自動車は1対4とそれぞれ1あたり量が決まっているからです。初めはおはじきを使って練習します。「自転車5台分のタイヤの数はいくつですか。」として、タイヤの数だけおはじきを出します。2個ずつ5回出せばいいのです。この「2個」が1あたり量、「5回」がいくつ分に当たります。ここでは、全体量が10個になりますが、10個という答えを出すことが問題ではなく、おはじきを2個ずつ5回出せることが大切です。

 タイヤの数の次は、前述したお客さんです。「お客さんが4人きました。ひとりに3個ずつお饅頭を出すと、お饅頭は何個いりますか。その数だけおはじきを出して下さい。」というような質問です。ここでは、お客さんが何人来るのか、何個ずつ出すのか、タイヤのときとは違って決まっていませんから、よく聞かないとできません。このようにいろいろな場合でおはじきを出し、1あたり量は何か、いくつ分は何かを考えさせています。  おはじきでの練習が十分にできるようになったら「ひとりでとっくん35 一対多対応」 を使って、ペーパーでの練習を行って下さい。ここでも、おはじきのときと同じように、いくつずつ何回描くかを考えて描いて行って下さい。

 これで、わり算の「等分除」、かけ算の「一対多対応」を見ていきましたので、次回は、わり算のもうひとつの考え方「包含除」について扱って行きます。

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