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週刊こぐま通信
「子どもはどこでつまずくか」(38)

一場面のお話づくりは、時系列における前後関係をどれだけイメージできるかがカギ

2009年8月28日 回答
受験生の皆さまの学習相談に、こぐま会室長がお応えします。

【質問38】
 お話づくりにおいて、4枚の絵カードを並べてお話をつくるのはよくできるのに、一場面の絵を使ったお話づくりはとても苦手なようです。どのような声かけをしてあげたら良いのでしょうか。

 絵カードを使ったお話づくりは、4枚の絵カードを時間的経過に沿って並べ、それを使ってお話をつくらせるのが基本です。小学校受験においても「時系列」を問うことも含め、長い間4枚の絵カードを使ったお話づくりが行われてきました。それが最近は3枚になり、2枚に減り、ついには1枚だけの絵を使ってお話をつくる問題が出てきました。

一場面の絵だけであるとどうしてもまとまったお話にならず、場面の説明になりがちです。これをどう解決したら良いのか。提示された絵の前にはどんなことが起こったのか。その後はどうなったのかという時間の流れの中で一場面をとらえられるようになれば、少し長くまとまったお話ができるのではないか。そう考えて、授業では与えられた絵の前後に、白紙の紙に?を描いて次のように並べます。


前後の?がないとどうなるかというと、
「太朗さんは、お父さんと魚釣りに行って、お魚を釣って帰りました」という話になってしまいます。その後、前後2枚の?カードを入れると、この絵の前にどんなことがあり、この絵の後どうなったのかを考えながら真ん中の絵を見るため、つくるお話に幅が出てきます。例えば次のような話をつくり始めます。

「2匹の兄弟の魚が海の中を泳いでいました。すると弟の魚が、美味しそうな餌があるのを見つけ、食べようとしました。でもお兄さん魚が、針がついているからやめた方がいいよと言いました。弟はお腹がすいて食べたかったのに、針があることがわかったので食べるのをやめ、逃げていきました。」

「魚のお父さんとお母さんは、2匹で海を泳いでいました。お父さんがえさを見つけ食べようとすると、お母さんが私が先に見つけたのだからといって、けんかになってしまいました。お父さんが先にえさを食べようとしました。すると、お母さんはお父さんのしっぽに食いついたので、2匹一緒につられてしまいました。」

1枚の絵を漠然と見るのではなく、時間的な流れの中で見ていくといろいろとイメージがわき、まとまったお話ができるようになります。その際、ちょっと助言してあげると良いと思います。

  「2匹の魚は、さいしょどこにいたんだろうね」
  「今どんなお話(会話)をしているんだろうね」
  「この後どうなるのかな」

そんな助言をちょっとしてあげると上手にお話ができますし、一度うまくいくと自信をつけ、今度は自ら手を挙げ始めます。こんなやり方で練習し、一場面のお話づくりに自信を持たせてください。

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