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週刊こぐま通信
「子どもはどこでつまずくか」(29)

観覧車の問題は、「なぜ逆戻り」しなくてはならないのかをしっかり理解させることが重要

2009年6月19日 回答
受験生の皆さまの学習相談に、こぐま会室長がお応えします。

【質問29】
 観覧車の問題が混乱していて、できたりできなかったり難しいようです。どのように学習をすればよいのか教えてください。

 観覧車の問題の難しさは、設問の仕方に2つのタイプがあることです。その問題の解き方を十分理解しないまま、機械的に教え込まれると混乱します。次の問題を見てください。

(1) くまが馬のところに来ると、
馬はいま誰のいるところにつきますか?

(2) くまが馬のところに来ると、
今くまのいるところには誰が来ますか?

くまが馬のところに行くには5つ動きますから、すべてのものが5つ動きます。ですから、馬も5つ動き、ゾウのところにつきます。これは誰でもできる問題です。しかし、同じ条件で出される「くまのところに誰が来ますか」という問題は、同じ方向に5つ進めることはできず、結果として、5つ逆戻りにしなくてはなりません。つまり、パンダがそれにあたります。なぜ、観覧車の回転が右回りなのに、答えを見つけ出すのに左回りに戻さなくてはならないのか・・・そのことが本当に理解できているかどうか・・・解き方だけを教え込まれると、「なぜ反対回りに5つ戻すの?」という質問に、答えられません。この2つのタイプがあるため、十分理解していないと、(1)の問題と(2)の問題の意図を逆にとらえてしまい、混乱してしまうのです。では、どうすればよいのでしょう。

  • 実際に動く観覧車を使い、回転することの意味を十分捉える

  • (2)の問題を解く際「ひとつ動くと何が来るの」「ふたつ動くと何が来るの」「3つ動くと・・・」というようにひとつひとつ聞きながら、5つ動いてくるものがくまの5つ後ろにいるものである・・・ということを実感として捉えさせる。

この経験がないまま、(1)と(2)の解き方を教えてしまうと、説明ができないまま解き方だけは身につき、違う解き方で解いてしまう混乱が起こります。「同じ方向に進ませる方法」と「逆戻りする方法」があるということをカード教材で経験させ、「なぜそうなるのか」もきちんと説明できるまで学習してください。

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