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週刊こぐま通信
「子どもはどこでつまずくか」(3)

数唱ができたからといって、正しく数えられたことにはなりません

2008年11月21日 回答
受験生の皆さまの学習相談に、こぐま会室長がお応えします。

【質問3】 
 数唱は100以上できるのに、たくさんある中から「23」とってくださいという問題ができません。どうしたら良いですか。

「正確にものを数える」ということは、数の操作の基本です。しかし、意外とできていない場合が多いものですが、そのことを見落としがちになります。私たちは以下の3つが全部できて初めて「正確に数えられた」と考えています。その3つとは、

1. 数唱は100以上できる
2. 与えられたものがいくつあるか、判断できる
3. たくさんある中から、指定の数だけ取ることができる

現段階では1・2はできても3になってつまずく子が多いのではないかと思います。ではなぜ1・2はできて3の段階になるとできなくなるのでしょう。「23個とってください」という指示に対して23個より少ない数をとる子の多くは、口で唱える数唱と指で押さえていく行為がちぐはぐだったりすることが原因です。23個より多い数をとる子の多くは、21-22-23-24-25と進んでしまい、23で止まればよいということに無頓着になってしまうのです。物の集まりの集合数が、口で唱える数唱と連動し、23個必要な場合には「23」のところで止まるということが、まだよく分かっていないからだと思います。順序数と集合数の関係がつかめていないということも言えます。ですから、その点を承知した上で「3」のトレーニングを積んでください。数の範囲はだんだん広めていけば良いと思います。最初は「13」ぐらいでやってみてください。その後、18・23・32と増やしていくのが良いと思います。23と言ったのに13しかとらなかったりする間違いも出てくるはずです。数唱ができたからといって正しく数えられたことにはならないということを、大人がしっかり把握していれば、いずれ解決する問題だと思います。

ところで数唱のことですが、多分50や100、それ以上唱えられると思いますが、まだ自信が持てない子はどこが問題かというと、9から0に代わるところ、すなわち19-20・39-40・69-70のようなところです。そこがスムーズにいけば間違いなく100以上大丈夫だと思います。また、音による計数はリズム打ちの数が難しいと思いますが、等間隔で叩かれる音であれば、速くても遅くても問題なく音に合わせて数えられるはずです。リズム打ちの音の計数は、リズムをどう理解したかをまず点検してください。

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