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週刊こぐま通信
「プリムローズだより」

あおむしのお家を作ろう

第30号 2019年6月24日(月)
プリムローズクラス担当
 「今日はこんな事できるようになったよ」お帰りの時間にそんな言葉を抱えながらお迎えの方に駆け寄っていく子どもたちの姿を想像して私たちは、毎週のカリキュラムを組み立てています。ただ実際は、いつもそうとは限りません。なぜならこの年齢の子どもたちの成長は短時間に目に見える成果となるものより、生活の中で日々積み上げて達成できるものが多いからです。だからこそ、お部屋の中での生活の全てが子どもたちの成長の一歩に繋がるよう心掛けて接しています。

さて今週は導入に「はらぺこあおむし」(偕成社)の大型絵本を読み、物語に出てきた葉やあおむしを題材に、運筆や位置関係、系列の学習に繋がっていく主活動を行いました。
大型絵本は大人二人でページをめくると風がふわっと子どもたちの所まで届くようなとても大きい物で、最後まで集中して聞くことができました。その後に「青虫は、蛹になってその後何になったの?」「青虫はすももをいくつ食べたのかしら?」など、お話の内容について聞いてみると「蝶々」「3個」と元気の良い反応が返ってきました。また絵本を閉じた状態で質問していたので、もう一度最初から読んで確かめたいという意見もあり、気になるページを読み返しては子どもたちと「はらぺこあおむし」の世界を楽しみました。

次に絵本に登場した葉と同様の緑色の葉を配りました。こちらの葉には点線で葉の輪郭が描かれてるだけなので、子どもたちは、輪郭をなぞり、葉脈を見本通りに描き入れます。まず、「なぞる」というのはどういう事なのか?点のひとつひとつを駅に見立てて説明しました。「葉っぱの周りを各駅停車が走っていくからね、全部の駅に停まっていくのよ。特急になって飛越さないようにね。」その言葉掛けで子どもたちの意識はぐっと高まります。各机で真剣に取り組んでいる中、各自のクレヨンの持ち方や筆圧、もう片方の手でしっかりと紙を押さえること、描いていくスピードを確認していきました。その後、葉脈の足し絵を行いました。ここでのポイントは、まず葉を先生と同じ向きに机に置けているか、葉の中心から上下に同じ本数線が描けるかという部分です。一見、取り組みづらい課題のようですが、上下の感覚をしっかりと養ってきていますので、上に2本、下に3本というように順を追っていくとそれぞれに葉脈を描くことができました。葉脈によってできた5つの部屋には先生の見本に合わせて絵本のキャラクターのシールを貼り、出来た作品は模造紙で作った大きな木に貼って完成です。

最後はカラフルなあおむしを連想する木製の大型ビーズを使って、ひも通しを行いました。最初は「やってみたい」という気持ちが先に立つので自由に通すことにしてしばらく様子を見ていました。ある程度の長さになると、自分たちの通したビーズを眺めながら配列の特徴を言い始める子もいました。赤色が多い、しましまになっている、何線の電車に見える、そういった内容です。自分で通したビーズが配列となって出てくることを知った子どもたちに、今度は先生と同じ順番で通して見ようと提案しました。赤、青、黄色の3色を何度か一緒に通した後は続けて一人で通してみました。途中で通し間違いに気がついた時、どこまでビーズを抜いたら良いのかと悩む姿もありましたが、根気強く取り組み全員、作り終えることができました。この系列は、今回のひも通しだけではなくブロックでお城を作る時や塗り絵など遊びの中でも取り入れやすく、生活の中で繰り返していくことで定着し、また遊びの幅も広がると思っています。


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