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週刊こぐま通信
「室長のコラム」

教材作りに想いをこめて

第43号 2006/01/26(Thu)
こぐま会代表  久野 泰可

 昨年11月から、新しい教材として「ひとりでとっくん365日」を毎月1冊ずつ発行しています。この教材を出すきっかけになったのは、こぐまオリジナル教材を使って、家庭で学習している全国の方々から、「何から学習を始めたらいいのか」という、学習の順序に関する問い合わせが多かったからです。

 ひとりでとっくんシリーズもこれまで100冊を発行し、これからも内容の充実に向けて発行し続けて行くつもりですが、1号から100号まで発行するのに18年間かかりました。内容の系統性や難易度を考え、一つのテーマにつき、30枚のペーパーにまとめてきましたが、その一つ一つを授業の場で検証し、手直しして作り上げるには、相当の時間が必要でした。製作者が、イメージしたものをそのまま問題にするのではなく、実際に子どもに与えて学習し、その反応を見て修正するという繰り返しの中から1枚1枚のペーパー教材を作り上げてきました。しかし、受験指導をする現場の必要に応じて作ってきた関係で、100冊の組み立が1号から順番にやればいいという様にはなっていません。1冊30枚の中の難易度は十分考慮して作ってきましたが、作成順に学習すればいいということにはなっていません。

 こぐま会の会員や小学校入試に向けて学習をしている方たちにとっては、日常授業の進度に沿って使っていただければ、そこにおのずから学習の順序はついていきますが、教室に通わない方々にとっては、学習の順序がわかりにくいため、「何からはじめたらいいのか」という質問になってくるのでしょう。そこで今回は、毎年秋の受験に向けて学習する年中から年長の子どもたち向けに、学習の順序性をはっきり示すための問題集として「ひとりでとっくん365日」を企画したのです。現在のシリーズは今年の10月に完結しますが、引き続き、小学校入学のためのシリーズや年少から年中に向けての1年間の新しいシリーズも準備しています。

 こぐま会のオリジナル教材は、受験生だけでなく、受験はしないけれども、幼児期の基礎教育を考えている多くの方々にも使っていただいています。また、全国の養護学校関係者の方々からもたくさんの注文をいただいています。

 受験があるなしに関係なく、幼児期の基礎教育における系統だった教材を提供したいと考えてきた私たちの想いが、「基礎教育」を目指す、さまざまな立場の方々から支持されてきた現状を大変喜ばしく思うとともに、そうした期待に応えられるよう、これからも、オリジナル教材の開発に、私たちの授業経験を最大限生かしていきたいと考えています。

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