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週刊こぐま通信
「室長のコラム」

働く母親のお受験支援

第40号 2005/12/22(Thu)
こぐま会代表  久野 泰可

 先日雑誌「アエラ」の記者がみえ、働く母親の小学校受験対策について質問を受けました。いくつか質問を受けましたが、最大の関心事は「働く母親の子どもは、これまで受験に際して不利と言われてきたが、今はどうか」ということでした。私は、今年の結果を踏まえながら、「保育園に通っていることで、受験に不利になることはまったくありません。」とはっきり答えました。特に、不利だとされてきた伝統ある女子校でも合格した事実をお伝えし、学校側が子どもを取り巻く環境で合否判定について差別しないことは徹底していることを話しました。

 確かに、この質問はこれまでも大勢の方から受けてきました。また、仕事を持っている点だけでなく、離婚していたら不利なのか、両親が高卒だけど不利なのか等質問されてきました。そうしたことで、不利になることは一切ありません。こうした噂が絶えないから質問されるのでしょう。情報が開示されなく、噂だけが独り歩きしている結果起こっている現象です。

 33年間の私の経験を振り返ってみると、確かにそうした噂が信憑性を持っているのではないかと思える時代もありましたが、社会が変わり、女性の社会進出がめざましい昨今の状況下にあって、母親が仕事を持っていることだけで、差別されることなどありません。事実、数年前から、願書にあった最終学歴を書く欄や、職業を書く欄を削除する学校が増えてきました。そうしたことで、子どもを差別しないという考え方が徹底してきたのでしょう。

 働く母親にとって最大の問題は、学習時間をどう確保するかということです。そうした悩みにも個別に相談にのっていますが、私たちが教室としてやれることは、土曜日や日曜の講座を開講することや、その子の生活パターンに合った学習計画を立ててあげることなどでした。その上で、家庭学習の方法として

  1. 朝型に生活を変え、保育園に行く前に一定の学習時間を確保すること
  2. お父さんにも子育てに参加してもらい、時にはいっしょに勉強してもらうこと
  3. 時間の有効活用のために、何枚ペーパーをやったからという発想から一枚のペーパーをどれだけ深く理解したかの発想に変え、対話をしながら理解力を深め、点検する方法をとること
  4. 勉強時間が少ないからといって母親があせることが一番よくないので、受験にたいして家族全員で取り組み、とくに母と子の人間関係を良好に保つこと

というようなことをアドバイスしてきました。その中でも、「父親が受験対策にどれだけ参加するかどうか」が、最大のポイントだと考え,年に5回ほど父親のための勉強会を開いています。

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