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週刊こぐま通信
「室長のコラム」

何が合否を分けたのか

第174号 2008/11/14(Fri)
こぐま会代表  久野 泰可

 11月1日から始まった都内の入試も多くの学校で合格発表があり、一段落しました。これらからは国立付属小学校の入試に向けた対策が始まります。

11月1日から入試問題の聞き取り調査に入りました。試験を終えた子どもたちから、覚えている限りの問題を聞き取り、数名の子どもたちが話してくれたものをつきあわせて、全体像を明らかにしていきます。これまでに入試の終わった学校については、ほとんど聞き取りを終え、今分析に取りかかっています。学校側が公表しない限り、こうした地道な努力で出題内容を明らかにしていくしか方法はありません。これも私たちの大事な仕事として受け止め、まとまり次第、資料集として公表していくつもりです。

さてここ1週間、毎日のように会員の皆さまから合否の連絡をいただいています。連絡を受けるたびに一喜一憂し、例年の如く手放しで喜べない「憂鬱な日」が当分続きそうです。1クラス14名の内12名が合格しても、残りの2名が決まるまでは心から喜ぶことはできません。2校~3校合格する子がいる一方で、補欠合格の連絡待ちをしているご家庭や、国立の抽選を待っているご家庭のことを思うと、複雑な気持ちになります。同じ学力がありながら、なぜ合格者と不合格者にわかれてしまうのか。その「なぜ?」という疑問に納得のいく回答が見つからないまま、時が過ぎ、再び国立の入試に突入してしまうのです。

「何が合否を分けたのか」については、毎年さまざまな角度から分析していますが、いつも納得のいく決定的な回答は得られません。それでも、手元にあるデータを駆使して学校ごとに分析し、今年もこれから始まる「分析セミナー」の席で公開するつもりです。その分析の観点は、

1. 問題の難易度はどうか
2. 合否判定における関係者云々の問題はどうであったのか
3. 学力試験以外のテストの様子はどうであったのか
4. 複数校合格している子は、何が評価されたのか
5. 面接や行動観察の内容とその評価方法はどうであったのか

などです。

今年の合否を分けるキーワードは「集中力」ではないかと、直感的にとらえています。
それが具体的に何なのかは、今後の分析で明らかにしていきたいと思います。

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