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週刊こぐま通信
「室長のコラム」

秋の受験に向けて、これからの学習課題

第150号 2008/05/23(Fri)
こぐま会代表  久野 泰可

 11月から始まったばらクラス(年長)の授業も、基礎段階の「ステップ4」が先週終了しました。入試に絡む課題の8割以上を学習したことになり、いよいよ過去問に取り組む準備ができました。これから夏に向かって、難しいとされる問題に挑戦し、学力をより伸ばさなくてはなりません。一方で、模擬テストの点数が思うように上がらず、心配になって相談にみえる方が増えてきました。やればやるほど成績が落ちるといった相談もありますが、これまでどんな学習をしてきたのか、その成果が問われる時期になってきたということです。

基礎段階の学習が終わるこの時期に、成績が伸び悩む子どもたちには、共通した傾向が見られます。
  1. 相当早い段階からペーパートレーニングを繰り返し、かなり難しい問題ができるのに、答えの根拠を聞いても、しっかり答えられない。
  2. 全部できて当たり前で育ってきた子は、難しい問題でできないことに直面すると、その事実を受け止められず、パニックになってしまう。
  3. たくさんの問題を練習してきた子どもでも、聞き取りの段階で問題の意図を聞き間違えてしまう。特に、易しい問題をかえって難しく考えがちである。
  4. 出来-不出来に敏感になりすぎる子は、やや難しい応用的な問題になると、周りが気になって、自分でじっくり考えられない。時には、横を見てまねしてしまうこともある。

周りのことがわかってきた分、自分で自分にプレッシャーをかける子が出てきます。ミスをすることに過敏な子は、その背後に必ずお母さんの存在が見え隠れしています。ですから、良好な母子関係を保てるよう、努力してください。さて、入試まで残すところ半年もなくなり、焦りを感じる方も増えてきましたが、これからどのように学習を進めていったらよいのか、合格のための学習ポイントをお伝えしましょう。

  1. これまで学習してきた単元が入試問題の8割を占めています。そのため、本当にわかっているかどうかを点検し、理解の不十分なところは、もう一度具体物やカードに戻って学習する。
  2. これからは、ペーパートレーニングの量を増やし、過去問や難問に挑戦する。
  3. 指示の聞き取りとスピードトレーニングを強化する。
  4. 答え合わせの際、必ず根拠を説明させる。
  5. 朝型の勉強に切り替え、幼稚園に行く前はペーパートレーニングを行う。ペーパーは家に帰ってからも含め、毎日最低10枚以上行う。
  6. 手先の巧緻性や、絵画・製作にも力を入れる。
  7. 最大の山場である夏休みを有効に使うために、家庭学習を徹底する。時間は個人差があるが1日3時間を目安とする。
  8. 難問トレーニングは夏休みに集中して行い、入試直前に難しい問題をやりすぎて自信をなくさないようにする。
  9. 夏休みを終えた9月に、スランプに陥る子が多い。周りの焦りも反映しているが、夏休みを勉強一本にしてしまうと、入試直前に興味をなくす子が出てくる。そうしたことがないように、「よく遊べ、良く学べ」を基本に、夏休みの過ごし方を事前によく考えておくこと。10月後半からの本試験を、ベストのコンディションで迎えられるよう、体調管理・精神面でのケア等周りの大人が十分配慮してあげることが大切である。

これからは、子どもの理解度を常に把握しながら、ともかく効果の上がる方法で、学習を 進めてください。時間をかける割に効果の上がらない学習をしている方が毎年多く見られます。それは、「基礎が何で、応用が何であるか」を教える大人がわかっていなかったり、子どもがつまづいた時どのように対処したら良いのかわからず、大人の発想を押しつけてしまうことです。ただ時間をかければよいのではなく、どのように時間をかけたら良いのかを、専門家に相談しながら学習を進めてください。

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