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週刊こぐま通信
「室長のコラム」

学習習慣を持続してください

第122号 2007/10/12(Fri)
こぐま会代表  久野 泰可

 東京都においては、私立小学校の願書受付もほとんど終わり、郵送で受付をした学校からは、受験番号が返送されてきており、面接も始まりました。ばらクラス生(年長児)は、昨年11月からこの秋の入試にむけてさまざまな経験を積んできました。ばらクラスに進級してから、先週で40週の基本クラスの授業を終え、今週と来週は予想問題に取り組む総仕上げの授業です。1年前にゆりクラス(年中児)から引き継いだ当時のことを思い出しながら、この1年間の一人ひとりの子どもの成長にただ驚くばかりです。

数の操作も十分に出来なかった子どもたちが、今では四則演算を暗算で解決できるようになりました。保存の問題も、視覚的にしか判断できなかった多くの子どもが今では論理的に解決しています。難しい立体図形の模写もていねいに描けるようになりましたし、シーソーの難しい問題も自信を持って解くことが出来ます。視点を変えて物を見る眼も身につき、時間的順序を逆にして考える「逆思考」も身につきました。そしてなによりも、自分が考えた答えの根拠を言葉で説明できるようになりました。

発達とともに、自然に身につくものもたくさんありますが、意図的な教育によって身につく幼児の「考える力」のレベルは、私たちの予想をはるかにこえており、たぶん小学校3年生ぐらいまでの教科学習で求められる思考力の基礎は、この1年間で十分身についたと思います。

受験という現実的な目標に向かって1年間の学習を積み重ねてきたわけですが、私たちは同時に、入学後から始まる教科学習の土台を身につけることも目指してきました。受験用か否かではなく、きちんとした考え方で幼児期の基礎教育を行うことが、合格への近道であることを確信しています。卒業された皆さんは異口同音に「小学校のお勉強は、やさしすぎる」と話されています。この1年間に学習してきた内容を考えれば、「読み・書き・計算」だけの低学年の課題に比べ、入試問題のほうがどれだけ思考力を伸ばす内容になっているかということです。

まもなく迎える入試本番。定員がある以上、合格も不合格もあります。年長の秋に、そうした判断を下されることは、子どもの心の成長にとって決して好ましいものではありません。第1志望校に合格できればこんなに嬉しいことはありませんが、望みがかなわなかった時、それをどう受け止め、子どもにどう伝えるか。ともかく心に傷を残さぬよう、乗り越えていかなくてはなりません。

これまでの1年間を、将来の学習の基礎を学んだ貴重な1年間として受け止め、結果如何にかかわらず、この入試がゴールではなく、新たな目標に向かうスタートになるようにしていただきたいと思います。毎日学習してきたその習慣をぜひ持続してください。せっかく身についた「論理的思考力」をより深める努力を続けてください。私たちも、これまでの学習に続くプログラムをたくさん用意しています。「幼小一貫教育」の必要性は、受験を経験した方が一番理解できるはずですし、その実現を一番求めているのではないかと思います。

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