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週刊こぐま通信
「何をどう学習したらよいのか」

【質問7】

2007年12月21日 回答
受験生の皆さまの学習相談に、こぐま会室長がお応えします。

重さ比べで学習した「シーソー」は、入試でもよく出されるようです。どのような手順で学習したらよいか。またどんな問題が子どもに生じるのか。具体的に教えてください。

 第7週に学習した「重さ比べ」では、紙袋や箱を実際に持って、重い順や軽い順に並べる学習をした後で、「シーソー」を使った重さ比べを体験してもらいました。3つの箱を交互にシーソーに載せ、一番重いものや2番目に重いものを探す課題ですが、こうした実物を使った三者関係の理解は、年中児にも理解でき、ほとんどの子が重い順に系列できます。しかし、実物を使ってできたからといって、ペーパーに書かれている2場面を見て三者の関係をつかむ課題が、すぐにできるわけではありません。たとえば、次のような基本問題でも、まだ今の段階では半数近くの子が完璧には答えられません。

(質問) シーソーに乗っている箱の重さをよく考えて、下の3つの箱に左から重い順に色をぬってください。

間違える子の多くが、2つの場面が関連付けられていない為、左のほうだけ見て答えたり、右のシーソーだけ見て答えたり、左右両方の下がったほうを両方とも一番重いと勘違いしたりしてしまいます。「青より軽い赤と、青より重い黄色」というように関係付けられれば、重さは系列できるはずですが、2つの場面が青を仲立ちとしてつながっていないため間違えてしまうのです。実際の場面ではできても、ペーパー上に再現された場面を見ただけではすぐにはできないというのは、自分の身体を介在させていないからで、年中児の子どもたちの思考の現状だろうと思います。繰り返しトレーニングしていく中で、あおの存在に気づけばできるようになるはずです。

さて、この基本となる三者関係の推理をスタートとして、今後どんな学習を進めたらよいのか。シーソーに絡む入試問題を踏まえて、お伝えしましょう

  1. 2場面から三者の関係を理解することができたら、今度は3場面から四者の関係を理解させる(四者関係の理解)
  2. 四者関係の理解は、最低3つの場面で解決できるが、4つの場面や5つの場面になるようにシーソーの場面の数を多くし複雑にする。また重い順や軽い順だけを聞くのではなく「3番目に重いもの」だけをひとつ聞く問題もやってみること
  3. 四者関係が理解できたら、五者関係の理解にも挑戦する。その際場面が4つあるものからはじめるが、わかってきたら場面の数が多い問題にも挑戦する
  4. 五者関係まで理解できたら、今度は、つりあいの場面も入った複合問題にも挑戦してみる(ただし、つりあいは今回の三者関係の理解とはまったく違う発想法、すなわち数における一対多対応の考え方が基礎になるので、その学習が終わってから挑戦すること)

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