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週刊こぐま通信
「プリムローズだより」

季節を知る「春」

第25号 2019年4月17日(水)
プリムローズクラス担当
 「今日は、4月3日水曜日です。お天気は・・・?」朝のお集まりで、子どもたちは窓から外を眺め空の色や木々の様子から「晴れです」と元気に答えてくれました。窓から見える桜の木は満開でお店に並んでいる果物や野菜、みんなで目を閉じると聞こえてくる鳥の声、服装、、質問していくと、五感で春を感じ取っているのがよくわかりました。

今週の主活動のテーマもまさに「春」です。春を代表する桜を取り上げ、移り変わっていく様を部屋の中でも感じる取ることができるよう準備しました。
まず絵本を読みながら四季があること、また1年を通してそれが移り変わっていくということを身近な行事の記憶も辿りながら話していきました。「プールに入ったの覚えてる?今入れるかな、入れないわよね。もっと暑くなって夏が来たら気持ちよく泳げるはずよ」同様にお正月や秋の果物など、今まで体験してきたことと季節が結び付いていくようにしました。
そしてお部屋の中を見渡すと、模造紙には綺麗な桜が咲いています。桜は風に乗って花びらが散りピンクの絨毯ができ葉桜にそして新緑が美しくなっていく、この一連の移ろいの様子を折り紙と絵の具で表現しました。まず折り紙を小さくちぎって花びらに見立てました。根気がいる作業でしたが、各自大きさを確かめながら、中には縦に長く割いてからちぎっていく方法を見つける子もいました。たくさん作った花びらを桜の木の下に持って行き爪先立ちをして手を高く上げて降らせるとゆっくりと散っていく花びらたち、私たちも用意しておいた花びらを子どもたちの上に降らせました。ちぎった折り紙を部屋いっぱいに散らしては拾って、繰り返すうちに「みんなで集めて、一緒に降らせようよ」大切にし続けてほしい言葉も聞こえてきました。楽しい事を見つけたらその気持ちを共有したい、そういった気持ちも芽生えてきました。次に、花びらが散り新芽が出てきた桜の木にするために緑色のスタンプを押していきました。スタンプはガーゼをピンポン玉くらいに丸めたもの。絵の具をしっかりと吸っているので、壁に貼り付けた状態でも絵の具が垂れ落ちることはありません。子どもたちは、「ペンキ屋さんみたい」と言いながらポンポンと気持ち良さそうにスタンプを押し、とうとう新芽の緑とピンクがちょうど良く混ざり合った桜の木が完成しました。
この一連の活動には、全員で1枚の模造紙を完成させる経験をしてほしかったという意図があります。

最後に、この時期に美味しいイチゴを折り紙で作りました。子どもたちの制作活動は、自分の思い描いたものに近づいた完成品が自分で作れるようになる時、一気に楽しさが増していきます。折り紙はこれから楽しくなっていく中の一つだと思っています。また基本となる三角折りや、片手で折り紙を押さえながらもう一方でしっかりと折り目を付ける事など、こちらが手をとる事なく完成できる4回折りの題材は、一人一人の折り方を確認して進めるのには丁度良い作品でした。イチゴのヘタは緑の折り紙を自由にちぎり壺のりを使って貼りました。

今週はお部屋の中でもいろいろな角度から春を感じられたと思います。春休みを終えて久しぶりに会った子どもたちはみんな一回り大きくなった気がしました。改めてその成長に寄り添うことができる幸せを感じています。特にこの年齢は生活の中での自立が目覚ましく、一人でできた喜びをしっかりと感じられるようになります。そしてこんな事もできるんだと新しい自分に出会います。だからこそ、無理なく成長に即した内容であるよう慎重に考え、できたことを味わう時間も十分にとるようにしています。一人でできるようになったその先には、それを誰かのために差し出す事で喜びも感じられるようになります。今まで手伝ってもらっていた子どもたちが誰かの役に立っていると思ったり、「ありがとう」と言ってもらえる、それがとても幸せな事だと感じることのできる子どもになってほしいと願っています。


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