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週刊こぐま通信
「室長のコラム」

ステップ6の学習に入りました (2)

第534号 2016/6/17(Fri)
こぐま会代表  久野 泰可

 前回のコラムに引き続き、「母親ゼミ」でお伝えしたステップ6の学習方法の一部をご紹介いたします。今回は、「図形」「言語」「生活 他」領域の問題と対策です。

重ね図形
 これは昔からあった課題ですが、入試で出されることはあまり多くありませんでした。しかし、図形課題が増えている現在、この重ね図形も形を変えて、いろいろ工夫された問題が出始めています。重ね図形には、そのまま上に重ねていくタイプと、半分に折って重ねていくタイプの2つがあります。半分折りの課題は、対称図形の考え方につながっていく内容ですが、それが重ね図形全体を難しくしています。前者は上下にそのまま重ねていくタイプ、後者は半分に折って重ねるタイプの問題です。

  • 左のお部屋にある2つの形を、そのまま重ねるとどうなりますか。右から選んでをつけてください。

  • 左のお部屋にある形は透明な紙にかかれていると考えてください。これを真ん中の線で折って重ねるとどうなりますか。右から選んでをつけてください。

回転図形
 ある図形が、右や左に回転したとき、どんな向き・どんな位置関係になるかを考える問題で、大人にとっても難しい課題です。実物を動かせれば問題ないのですが、それを頭の中でイメージする点が難しいところです。典型的な2つの問題を紹介しますが、前者は回転図形の基本、後者は回転によって位置関係がどうなるかを考える問題です。

立方体が左右に回転するとき、正面にかかれた絵はどうなるかを考える。
  • つみ木が右に3回回転すると中の絵はどうなりますか。その絵にをつけてください。
  • つみ木が左に5回回転すると中の絵はどうなりますか。その絵に×をつけてください。

  • 左の三角が回転して右のようになったら、中のはどうなりますか。右の三角の中にをかいてください。

こうした形で直接回転を求められる場合もありますが、図形課題を解いていく場合に回転の要素がたくさん組み込まれた問題も多く見受けられます。回転のイメージ化が良くできるようになるためには、実際に形を回転させる経験を多く持つことが大事です。

話の絵画化
話の内容理解の1つの形式として、あまり多くはありませんが、話の絵画化が出されます。それには、3つのタイプがあります。
  1. 明らかに1つの場面しかイメージできない場合は、話の記憶として考え、出てきたものをすべて描きこむ
  2. 好きな場面を絵に描き、その絵を使ってお話をする
  3. 話の内容をよく理解し、その話の続きを絵に描く
  4. 一番多いのは、2.の好きな場面を描かせる問題ですが、3.の話の続きを絵にするという課題もとても良い方法だと思います。

お話づくり
4場面の絵を時系列に並べ、ひとつのまとまった話をつくるのが昔からある典型的な問題ですが、最近では3場面や2場面でのお話づくりが増えています。また下記のように、途中の絵が抜け、そこに自分の考えた場面を想像しながら話をつくるというような問題も出始めています。自分の生活を振り返りながら、原因と結果を考えてお話をつくる問題です。

  • 左の絵から右の絵にお話が進みます。真ん中の「?」の部分に入る絵も考えながらお話をつくってください。上ができたら下もやってください。

社会的常識
集団生活をしていくために必要な常識が身についているかどうかを見るために、最近は「行動観察」において、それぞれの子どもを評価しようと努めていますが、年長児ともなれば、知識としていろいろ整理しておく必要があります。今回は自身の生活を振り返り、集団活動のルール等について考えます。授業では、挨拶・謝罪の言葉、交通ルール、電車内でのマナー、標識などについて、理解の整理をしました。また、困った場面を想定し、その解決法を3人で話し合い、その解決法をグループごとに発表する時間を設け、他人と話し合うことを経験させました。

ところで、最近次のような問題が出されています。

  • 女の子が温かい気持ちになるものに、青いをつけてください。

ひとりぼっちの大きな木が動物たちの訪問を受けて、みんなの役に立っていることに気付き、温かい気持ちになったというお話を聞いた後、普段の生活の中で感じられる「温かい気持ち」について考えさせる問題です。知識だけでなく、「感じる」「考える」という要素を盛り込んだ問題として、ぜひ着目しておいてください。

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