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週刊こぐま通信
「室長のコラム」

第10回 女子校合格フェアが始まりました

第433号 2014/4/25(Fri)
こぐま会代表  久野 泰可

 第10回目となる「女子校合格フェア」が4月20日より始まりました。1日目の4月20日は、午前中に「女子校合格に向けた正しいガイドライン」と題した代表セミナーを行い、午後からは卒業生のお父さま3名を迎えて「合格者からのアドバイス」を行いました。

午前中の代表セミナーでは、女子難関校10校に関し、2014年度の試験日程・倍率・合否判定の方法・補欠合格者の動き等を、資料をもとにお伝えしました。そして、女子校受験を考える場合の考慮する視点として、

(A) 実力主義だが学力主義ではない
(B) ペーパーだけでなく、行動観察も重視されている
(C) 各学校の傾向だけでなく、全体として何が求められているかをしっかり把握する
(D) その意味で、雙葉小学校・聖心女子学院初等科の問題は必ず学習課題にすること
(E) 併願対策で大事なことは、どんな学習方針を打ち立てるかにある

というようなことを、具体的にお伝えしました。その上で、2013年と2014年の代表的な入試問題を取り上げ、どんな能力が求められているかを解説しました。そうした問題を通して、「どんな入試対策をすればよいのか」をよくご理解いただけたのではないかと思います。つまり、機械的なペーパートレーニングではなく、自分で考え、自分で問題を解いていけるだけの思考力を、具体物やカードを使って身につけていかなければならないということです。最後に、行動観察に関する分析をお伝えしました。10校の行動観察の分析を通し、一体学校側はこの行動観察で何を見ようとしているのか、その対策はどうあるべきかをお伝えしました。決して大人が望ましいと考える「型」を教え込むことではなく、その子らしさを失わないような経験の積み上げが必要であることを強調しました。その点に関しては、2013年度の慶應義塾横浜初等部の学校説明会で配布された、「横浜初等部の入学試験に当たって」と題した文章に、すべて集約されています。何回も紹介しましたが、改めてここに掲載させていただきます。

「〔前略〕
人間には様々な性格と個性があります。そして、それぞれに応じた行動様式があります。どうか子供のそれを大切にして欲しいと思います。例えば、一見、活発で、真っ先に行動する子供はその積極性は望ましいのですが、時に、じっくり考えたり、根気強く取り組む習性に乏しい場合があります。一方で、一見、積極性に欠けて反応が遅いと思われる子供の中にも、一人で一つのことに時間をかけて黙々と取り組む力を持った子供がいます。学校は、様々な性格と個性、そして行動様式の生徒が混在してこそ、魅力的な教育環境が作られると考えています。全てが同じような行動様式の生徒である学校ほど気味の悪いものはありません。子供一人一人が、その性格や個性が大切に育まれ、それに基づく行動が良い方向に発揮されるようになることが大切なのです。その意味からも、入学試験で望ましいとされる表現型を指導されているうちに、その子らしさを摘みとってしまい、不自然な接ぎ木のようにならないよう、心に留めて頂きたいと思います。」
(慶應義塾横浜初等部 2013年度学校説明会 配布資料『横浜初等部の入学試験に当たって』)

午後から行われた「合格者からのアドバイス」には、多くの保護者の方が集まり、一問一答のインタビューに耳を傾けていました。私たち職員が客観的な資料に基づいてお伝えする話より、受験を経験した方々の声の方が、これから受験される皆さんには参考になると思います。インタビューの内容は多岐にわたっていました。その代表的なものは、

(1) 私立受験のきっかけは何か
(2) 学校選択はどのようにされたのか
(3) 受験における父親の役割は何だと思うか
(4) 休日における父親と子どものかかわりをどう工夫したか
(5) おけいこ事をいつまで続けたか
(6) 1週間のスケジュールをどう管理されたのか
(7) 家庭学習における復習の仕方をどう工夫されたのか
(8) テストをどう活用したか
(9) 応用段階になったら、学習時間を増やしたのかどうか
(10) 夏休みをどう活用されたか
(11) 入試直前のアドバイス
(12) 受験をして何が良かったのか。反省すべき点は何か

こうしたことを、3人の卒業生のお父さま方にインタビュー形式で答えていただきました。どのご家庭も多くの悩みを抱えながら、「受験をして良かった、受験がなければ、子どもの将来に対してこんなに話し合うことはなかったのではないか」とお話しされていました。

私も聞かせていただきましたが、一つの方針を徹底し、受験を子育てのチャンスと考え、忙しい中で父親としての役割をきちんと果たしていたからこそ、念願の学校に合格されたのだと確信しました。私たちが常日頃言い続け、お願いしてきたことを着実に実行されてきて、合格を勝ち取ったことをあらためて痛感しました。こぐま会の方針を信じ、徹底して家庭学習を行ってきた皆さまが合格を勝ち得たという事実は、私たち指導者にとっても大変励みになります。参加された皆さまにとっても、きっと参考になる意見がたくさんあったのではないかと思います。

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