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週刊こぐま通信
「室長のコラム」

一番良い状態で入試をむかえるために

2005/09/08(Thu)
こぐま会代表  久野 泰可

 夏休みも終り、都内の入試まで残すところあと2ヶ月足らずとなりました。9月は、願書提出の準備や面接準備等、子どもよりもご両親のほうが忙しくなる時期です。そのため、家庭学習の時間が十分確保できず、せっかく夏休みにがんばった成果が生かされないまま、10月をむかえてしまうことにもなりかねません。これから2ヶ月間の対策を考えたとき、一番大切なことは、子どもが自信を持って課題に取り組み、一番良い心の状態で入試本番をむかえるにはどうしたら良いかということです。毎年この時期になると、気になる子どもの変化が見られます。それは、次のような変化です。

  1. 夏休みにがんばりすぎた反動で、勉強を嫌がる子が出てくる。極端な例として、塾に行くのを嫌がったり、チック症状が現れたり、おねしょが始まったりする
  2. 両親の会話から、子どもなりに入試を察知してか、テスト結果や授業中の評価に相当敏感になる
  3. できない問題に直面したり、「やめ」というまでに全部できないと、急に泣き出したり自分で考えようとせず、隣の子の解答をそのまま写すだけに終わってしまう
  4. これまでできていた問題ができなかったり、極端に『聞き取り』が悪くなる

こうした現象は、いろいろな要因が重なって起こるものですから、個別に対策を考えなければいけませんが、精神的な動揺が始まるとこれまでの努力が無駄になってしまいます。その意味で、入試直前2ヶ月間は「心の健康管理」をしっかりしなくてはなりません。心の健康を害する要因には、自信喪失と人間関係におけるトラブルや強度なプレッシャーが考えられます。特に、教師と子ども、母親と子どもの「良好な関係作り」は大切です。
子どもが不安を抱き、プレッシャーを感じるとすれば、それは周りの大人の責任です。特に評価に関しては、敏感になっていますから、子どものいる前で、テスト結果や合否に関する話は避けたほうが良いと思います。お母さんやお父さんに褒めてもらいたい一心でがんばっている幼児の心の状況を、しっかり受け止めてあげてください。自信をなくすことを一番避けなくてはならない時期ですから、できるだけマイナス評価はさけ、「自分はできるんだ」という気持ちを持たせて本試験に臨むことが大事です。子どもが自分自身に求めている完璧さは確かにありますが、できなくて急に泣き出してしまう子どもの心理状況は、完璧さの追求以上に、周りの大人の評価に対するプレッシャーがあるはずです。

入試直前2ヶ月間は、これまでの半年間に匹敵するくらいの大事な時期です。難しいことばかりやって自信をなくすのではなく、新しい傾向の問題を取り上げ、常に答の根拠を尋ねながら、基礎を点検していけるような学習を心がけてください。「基本に戻る」ことがいかに大事か・・・合格者の皆さんが、アンケートの中で、強く述べていることです。

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