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週刊こぐま通信
「室長のコラム」

働くお母さんの小学校受験

第118号 2007/09/14(Fri)
こぐま会代表  久野 泰可

 最近、働くお母さんの小学校受験に関して、取材を受けることが多くなりました。それだけ、受験させて私立の小学校に通わせたいと思っているワーキングマザーが増えているのでしょう。実際こぐま会でも、母親が仕事を持ちながら、小学校受験に挑戦するケースが増えています。こうした「働く母親の小学校受験」が取材のテーマになるのは、「働く母親は受験に不利ではないか」「保育園に通っている子は不利ではないか」という噂が存在するからです。
確かに伝統的な女子校については、昔からそうした噂は根強くありましたが、時代も変わり、女性の社会進出が当たり前になってきた現代において、小学校側が、「働いているお母さんでは困ります」というはずはありえません。学校も時代の変化とともに変わっていくのですから、母親が仕事を持っているということだけで、入試において子どもを差別するということはないと思います。事実、保育園に通っていても、毎年多くの子どもが合格しています。

働く母親の小学校受験において最大の悩みは、家庭学習の時間をどう確保するかという点です。母親と子どもが向き合う時間が決定的に少ないというところからくる問題は確かにあります。
  • 学習時間の確保が難しいため、繰り返しのトレーニングが十分できない
  • 会話する時間が少ない
  • 家庭ですべきしつけが徹底できない
  • 仕事と学習の両立で、時間的ゆとりがないため、子どもの成長を待つという関係づくりが難しい
しかし、こうした問題を解決する手立てはありますし、先輩方はいろいろ工夫してこの困難な状況を克服してきました。その中で、一番大事な点は、父親の協力です。これがないと、まず受験は無理だと思います。朝の時間の使い方、平日は無理だとしても、土曜日や日曜日の時間の使い方等を工夫し、少なくとも1年間は受験する子どものために、可能な限り時間を割かなくてはなりません。

私の担当する土曜クラスでは、大勢のお父さんが送り迎えをし、授業後の説明も聞いて帰るというケースはたくさんあります。お父さんのほうが熱心になって、家庭学習の進め方などについて質問に見える方も大勢います。そうした父親の協力の元で、毎年良い成績を収めています。また、そうしたお父さん方のために、毎年数回にわたって「父親セミナー」を開き、受験情報や学習の進め方について、アドバイスしています。
「働く母親は無理だ。保育園児は無理だ」というような、門前払いはまったくありませんので、時間的に不利な条件を克服して、希望の小学校を目指していただきたいと思います。

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