週刊こぐま通信
「最新入試問題で求められているものは何か?」その他:記憶(学習院初等科)
第60号 2007/02/23(Fri)
齋藤 洋
齋藤 洋
- ■ その他:記憶(学習院初等科)
- 形、フタの色、中身に特徴のある、4本のペットボトルを記憶する。
そのペットボトルが隠されてから、今度は空のボトルが並べられたその中から指定されたものを選ぶ。
問1. 青いフタがついていたペットボトルはどれですか? 問2. 1番多く入っていたペットボトルはどれですか?
ペットボトルの形状・中身の水量・フタの色を対応させた記憶の問題です。
易しい問題ではありませんが、実物を使っているため、方眼上の記憶や色積み木の記憶よりは、子どもにとっては興味を持って望むことができるタイプです。また家庭学習の際の、さまざまな記憶対策に活用できるものだと思われます。今回の入試での方法から、ご家庭での学習方法も検討してみましょう。
ペットボトルは、市販されているジュースやお茶の入っていたものを使用しているようです。あらためて自動販売機をチェックしてみると、さまざまな形がありなかなか面白いものです。
フタの形は同じです。市販されているものにも何色かありましたが、入試で使用したものには子どもに判断しやすいように、着色したものもあったようです。
ペットボトルには、どれにもピンクの水が入っています。その量は4本とも違いました。
ご家庭でもすぐに用意できるものだと思います。お子さまの年齢や学習経験の違いによって、使用するペットボトルの数を減らしてもよいでしょう。また問題によって条件を変えることもできます。
質問は、入試では上記の2問が報告されています。
問1のように、フタの色からそのペットボトルを選ぶ方法だけでも、そのまま入試問題になります。ペットボトルからフタの色を選ぶ方法も同じです。フタとペットボトルをバラバラにして組み合わせる方法もよいでしょう。
問2のように中に入っていた水の量とペットボトルを対応させる場合は、フタの色は全て同じ色にしておくことで憶えやすくしてあげることもできます。また1番多い(少ない)ものならばすぐに答えられると思いますが、2番目に多い(少ない)ものを問題にすると難易度が高くなります。
その他にも、次のように問題を工夫することができます。
- 並んでいた状態を再現する
- 手で持って重さを調べ、後で重い順番を問う(中身が見えないように紙を巻く)
小学校入試には、さまざまな記憶の問題があります。大まかにまとめてみると次のようになります。
具体物の記憶 | ・・・実物・絵 |
位置の記憶 | ・・・生活空間・方眼上 |
話の記憶 | ・・・物語・指示の聞き取り |
記憶問題の対策は、単に入試に出る記憶問題への対策にとどまらず、いろいろな学習の対策にもなるものです。学習院をはじめ、青山・成城・田園調布雙葉等、個別テスト中心の試験方法を採っている学校の過去問はとても参考になります。私たちもさまざまな授業の中に取り入れています。皆さまもご家庭での記憶問題対策にお勧めいたします。
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