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週刊こぐま通信
「最新入試問題で求められているものは何か?」

言語:口頭試問(面接)(早稲田実業学校初等部)

第52号 2006/07/28(Fri)
齋藤 洋
■ 言語:口頭試問(面接)(早稲田実業学校初等部)

・よく来たね。お名前は?

・今日は何で来たのかな?
・遠かったでしょう。眠くない?
・朝何時に起きましたか?
・電車の中で気をつけなければならないことはどんなことですか?
・もしも、お友達とこの学校に通うことになったら、電車の中でお友達が大きな声を出したり、ふざけていたりしたらどうする?

・仲良しのお友達の名前を教えてくれますか?
・同じ幼稚園なの?
・どこの幼稚園ですか?

・虫捕りをしたことある?
・何を捕るの?
・好きな動物はいますか? 何かな?
・運動が好きなんでしょう。
・いろいろ運動をしているようだけど、自転車は好きですか?
・自転車に乗っていて、今までに危ない目にあったことある?

・大きくなったら何になりたい?
・どうしてそれになりたいの?

・嫌いな食べ物は何ですか?
・給食で嫌いなものが出たら食べられますか?
・お母さんのお料理で好きなもの、おいしいものを言ってください。
・じゃあ、お母さんが作ってくれるけれど、どうしても苦手なものはありますか?

 口頭試問は、質問の理解力と質問に対する答え方をチェックする、言語領域の重要課題です。その質問の中に、家庭のしつけについてや、親の関わり方を調べる内容が含まれることも多いので、受験する学校の質問の傾向をしっかり調べておかなければなりません。準備としては、質問の意味をよく理解し、自信を持って答えられるようになることが大切です。ある程度練習すれば質問の意味については問題はなくなります。しかし自信を持って・・・については、お子さまの性格もありますし、なかなか難しいところです。

 口頭試問は、入試の中で個別テストの方法で行われる場合と、面接として場が設けられている場合とがあります。そして、ほとんどの小学校入試でこのどちらかの方法が採られています。それぞれの質問の内容も、大きなところではそれほど違いはありませんが、その答えについての評価観点は、各学校で違うようです。

 一般的に口頭試問にかける時間は、ほんの1分程度です。面接の形態を採っている場合でも、短い学校で1、2分、長くても10分程度です。それも両親面接を含んでいる場合ですので、子どもに対しての質問と解答時間の両方でやはり1、2分でしょう。ということは、質問の数は多くても4・5問というところで、3問が平均的な質問数です。

 上に挙げた例は、早稲田の三者面接で子どもに対して行なわれた実際の質問です。このほとんどが一人の子どもに対してのもので、この質問数の多さはどこの学校と比較しても負けません。また今後この記録が破られることは無いでしょう。しかし面接に要する時間は他校に比べて長いかというと、ほんの10分なのです。
 その理由は、1番初めの質問の「よく来たね!お名前は?」に表れています。
どこが違うかというと、普通は「おはようございます(こんにちは)。よくいらっしゃいました。では、お名前を教えてください。」という感じで始まるのです。早稲田の場合はかなりフランクな印象です。この調子で質問は続いていきます。チェックする間もなく、どんどん矢継ぎ早に質問していくのです。面接というよりも、会話を楽しんでいるようです。
 また子どもの方もそれにつられて応対していくことになります。丁寧に答えていても主語をきちんと言うということもなく、例えば「今日は何で来たの?」に対して、「・・・です。」でOKですし、「遠かったでしょう?」に対しても「はい!」でも「うん!」でも構わずに質問は進んでいきます。知り合いの人にちょっと尋ねられて、気軽に答えていく雰囲気なのです。ですからこれだけ多くの質問が可能なのでしょう。

 そして、ここに面接練習のヒントが隠されているように思われます。特に、質問に口頭で答えることが苦手なお子さまには、構える余裕を与えないことが逆に迷わずに答えてしまう状況を作ってくれるのです。このように質問を重ねる場合、必ず前の質問からつなげていくことが大切です。そしてもし、前の質問に答えることができなかったのなら、それをフォローするような質問に変えてあげるのです。そのようにしていくと、いつの間にか同じタイプの質問に対して、いろいろな答え方を習得できるはずです。
 こぐま会では、面接練習用に「こども めんせつれんしゅう」というものを用意しております。これを参考に、連続した質問を工夫しながら練習してみてください。

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