週刊こぐま通信
「テスト通信」テスト結果解説
「総合力判定テスト 基礎2」より
第02号 2022年3月2日(水)
こぐま会テストセンター
こぐま会テストセンター

このテストでは、毎回返却の際にテストの詳細や子どもがつまずきやすいポイント、学習の方法などを記載した「分析本」という資料をお渡ししています。今回も「個別テスト」「行動観察」に絞って、テスト受験者に向けた学習についてのメッセージを一部ご紹介したいと思いますが、紹介しきれなかったその他の課題に関しては、発売されている問題集等でどのような問題が出題されているかご確認ください。
今回実施したテストの平均点は100点満点中65点という結果になり、個別テストの正解率は以下のようになりました。
- 個別テスト
未測量:61%
位置表象:73%
数:43%
図形:54%
言語:74%
口頭試問:94% - ペーパー:58%
- 行動観察:77%
「数」からは「分離量の等分」を出題しました。指定した数のおはじきを何人かのお友だちに配った時に、1人分はいくつになるのか、あまりはあるのか、いくつ足りないかなどを答えてもらう問題でしたが、具体物を使って操作させることで子どもの理解度がよくわかりました。等分では、あまりの数が1~2個の場合は問題なくできるのですが、それを超えるとつい配りすぎて、それと同時に「足りない」という発想になってしまうことも多くあります。あまりの数が増えてもスムーズに答えられるかご家庭でも確認してみてください。
子どもがおはじきを分けるやり方としては、指定した人数の個所に1個ずつ配るという等分の方法と、おはじきを配る回数で分ける方法が考えられます。指定した人数の個所に1個ずつ配る方法は、間違いの起こりにくい方法ですが、おはじきを配る回数でわけた場合は、1回目に分けた個数を1人分だと勘違いしてしまうお子さまも多く見られます。それぞれの等分の方法でおはじきの操作の意味を理解しているか、お子さまに言語化させて確認していただくことも大切です。
※おはじきを配る回数で分ける方法
「6個のおはじきを、3人のお友だちにケンカにならないように分ける」という問題で考えてみます。1人に1個ずつ配っていくと、1回目に配るのに必要なおはじきは3個です。まずその3個をひとかたまりにし、残りの数を確認します。するとまだ3個あり、もう1回配ることができるので、その3個もひとかたまりにします。つまり2回配ることができたということです。それで1人分は2個であるということがわかります。
「6個のおはじきを、3人のお友だちにケンカにならないように分ける」という問題で考えてみます。1人に1個ずつ配っていくと、1回目に配るのに必要なおはじきは3個です。まずその3個をひとかたまりにし、残りの数を確認します。するとまだ3個あり、もう1回配ることができるので、その3個もひとかたまりにします。つまり2回配ることができたということです。それで1人分は2個であるということがわかります。

「図形」の問題からは、4ピースの形を使って作られた図形を見て記憶し、作ってもらう「図形構成」を出題しました。この問題では、全体と部分を見て形の向きや位置を修正する力をつけることが大切です。また、ピースを回すだけでなく、裏返すといった作業をスムーズにできるかも問われます。今回の問題では、台形が含まれているものもありましたが、斜めの辺を水平に使用しました。子どもには捉えにくい置き方ですので、こぐまパズルや市販されているタングラムのようなパズルで練習することをお勧めします。
「行動観察」では、指示行動と身体模倣を行いました。指示行動では、音の数によってお約束の指示があり、いくつか種類もありましたが、すべて覚えて動くのは難しかったと思います。指示行動では、周りのお友だちの動きを見て動いたり、わかっていても中々動きだせないお子さまもいましたが、自信を持って自発的に行動できることはとても重要です。お友だちと関わる中で自分の意見を言ったり、お話を聞いた通りに行動するといった内容も今後の課題で増えてきますので、意識していただきたいと思います。身体模倣の課題は、先生の動きを見て同じ動作を行うというものでした。楽しくなってふざけてしまったり、列を乱してしまう場面もあって、周りの子どもたちが集中して取り組んでいる分、非常に目立ちましたが、全体的としてはよくできていました。今回のような行動観察のテストや、集団で行う作業の機会を設けて、今のうちに集団の中でのお子さまの様子を確認しておくことは大切です。
さて、次回の総合力判定テストは2022年4月3日(日)に実施されます。試験範囲に関しては、毎回事前に要項でお知らせするとともに、テスト準備のための問題集(総合力判定テストトレーニング)もSHOPこぐまにて販売しております。ご興味のある方はぜひご覧ください。また現在、こちらの総合力判定テストを年間通して受験できる「テスト会員」の最終受付も行っています。さまざまな特典もございますので、詳しくはホームページよりご確認ください。