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間違った受験対策から子どもたちを守りたい
受験準備を始める前に知っておいていただきたいこと

間違った受験対策で子どもをつぶさないようにしてください

 小学校入試には、「カリスマ教師がいて、怖いお母さんがいて、毎日何十枚とペーパーをこなして、徹底的に教え込んで・・・」という、テレビドラマの「お受験」のイメージを持たれている方も多いようです。そして確かに、塾選びの失敗や間違った家庭学習法によって、そのようなことは起こりえます。子どもたちが意欲的に活動し考えようとする芽を、こうした指導が摘み取ってしまい、勉強嫌いの子どもを作ることになるのです。学びのスタートの時点で、自信を失ったり、苦痛を感じるようなことになっては、何のための学習かということになります。

入試のための学習は特別なものではありません

 小学校の入試問題には、振り落とすための難問奇問はありません。ひとつひとつの問題が工夫され、教科学習を支える学力の基礎がどこまで身についているかを見ようとする良い問題ばかりです。これから受験準備を始める方には、まずこの現実を知っていただきたいと思います。ある学校の志願者向けパンフレットに「子育ての総決算としての入試を」と書かれていたように、まともな幼児教育であれば身につく、自ら考え問題を解決していく能力が求められています。

学力だけでは合格できません

 初めて小学校受験を経験される方は、中学校・高校入試と同じように、学力さえ高めておけばよいと信じて疑わないことが多いようです。しかし小学校入試では、仮にペーパーテストで100点を取っても、それだけでは合格できません。行動観察、絵画・製作、運動テスト、家庭の考え方や雰囲気が明らかになる願書や面接試験など、合否判定の基準は複雑です。学力だけではない、総合力が求められています。

正確な入試情報を得ること

 小学校入試に関して、学校側からは情報がほとんど開示されていません。しかし、そのために間違った情報や噂に保護者が惑わされ、落ち着いて受験準備を進めることができなくなってしまったとしたら、その最大の被害者は子どもです。まずは「正確な入試情報」を獲得してください。特に「どこまで難しい問題を学習させるべきか」は、実際の入試問題を正確に分析した上で判断する必要があります。入試にも出ない難しい問題を与え、それを解かせる理由はありません。

基礎学習に時間をかけてください

 「本当にわが子がこんなに難しい問題を解けるようになるのかしら?」これは、はじめて受験を経験する保護者の方にとって、一番の心配事です。そして子どもの成長に見通しが持てないために、1日でも早く過去問に取り組ませようとします。しかし基礎も身についていない段階で、自力で解くことなどできません。するとどうするか。「解き方のパターンを教え込む」ことになるのです。
このような指導では、どれだけ早くから取り組んだところで思考力・応用力が身につくはずはないことくらい、誰にでも分かるはずです。それでも、母親同士の競争の中で冷静さを欠いてしまうと、立ち止まることができなくなってしまうのです。
入試で実際に出題される問題は、ほとんどの場合、子どもにとってはじめて目にするものです。以前解いたことのある問題と同じものはまず出ないと考えてください。その時、自分の力で解いていくことができなかったら、せっかくの過去問トレーニングも意味のないものになってしまいます。学校別の対策はしっかり行わなくてはなりませんが、それは基本となるものの見方や考え方をしっかり身につけてから行うべきで、最初から過去問に取り組ませることなど、決してしてはいけません。入試の1年も前からこのような問題を解くだけの力は、残念ながら誰にも身についていないのです。まずは、事物を用いた基礎学習にじっくりと時間をかけるべきです。

小学校入試は家族一丸となって取り組む課題です

 子どもは褒められたい一心で頑張ります。自然と長いあいだ子どもに接することになる母親は、マラソンの伴走者のような立場で、ひとつの目標に向かって一緒に頑張ってください。それが一番良い関係の取り方だと思います。
しかし、母子関係はお互いに感情的になりやすく、時には子どもが学習を放棄することもあります。そんな時、父親の子育て参加は、子どもだけでなく母親の精神的支えになります。父親のかかわれる時間には限りがありますが、2人で話し合ってご家庭の方針をしっかりと立て、その方針のもとで冷静に、そして自信を持って「我が家の戦略」をつくり上げることが大切です。

第1志望校を早く決めてください

 第1志望なのか併願志望なのか、学校側は受験者を見極めようとします。補欠合格の動きをできるだけ少なくするため、必ず入学してくれる子どもを取りたいと考えているのでしょう。こうしたことからも、早いうちに第1志望校を決め、その学校の傾向に合わせた対策を立てなくてはなりません。中学校・高校入試のように、模擬テストの結果を見て学校を選ぶというような発想は、小学校受験には当てはまりません。世間的な評価ではなく、ご家庭の考え方と教育方針が一致した学校を選んでください。

合格を目指す以上、徹底して取り組んでください

 受験のための準備教育は、最低でも1年間はかかります。その間、辛いこともたくさんあると思います。多くの噂話に足をすくわれたり、不安が先立ち落ち着いて家庭学習ができなかったり、感情的になり子どもを叱ったあと、寝顔を見て反省したり・・・そんなことの連続です。毎日毎日必死にがんばる子どもを見て、かわいそうに思うこともあるでしょう。しかし、受験を決意し「合格」を目指す以上、中途半端な気持ちでは乗り越えられません。なんとなくやってみて、だめなら方針を変えればよい、というような取り組み方では続きません。また、家庭で行うべきことを、高い月謝を払って他人任せにしてしまうような「教育の外注化」は絶対に避けてください。
結果がどうであろうと、家族一丸となって一つ一つの課題を乗り越えていくところに、小学校入試を幼児期の教育として生かす最大のチャンスがあるはずです。目標を持ち、夢を持ち・・・どうか頑張りぬいてください。

家庭の温かさを大切に

 入試当日に親ができることと言えば、子どものがんばりを信じて、いつもどおり送り出してあげることだけです。しかしこの日の子どもの出来だけで合否が決まるわけではありません。というのも、願書・面接では、保護者の方が直接、ご家庭のすばらしさを学校の先生に伝えることができるからです。ただし、これは入試直前の準備や訓練でごまかせるものではなく、特に子どもは、面接でその不自然さを簡単に見抜かれてしまいます。学力を高めることも大切ですが、その前に「どのような家庭環境で子どもを育てるべきか」を考えてください。温かな雰囲気のご家庭でのびのびと育った子どもは、学習面だけでなく、さまざまなことに意欲を持って取り組むことができます。そしてそのような子どもは、面接会場だけでなく、いつどこで見ても自然に大人の目を引くはずです。学校側が入学を望んでいるのは、まさにそのような子どもなのです。

受験を子育てのよいチャンスに

 毎年、受験を終えた会員の皆さまからお手紙をいただきます。その中で多くの方が「確かに受験準備のために最後の1年間は大変だったけれど、受験をしたからこそ貴重な経験ができた」と感想を綴っています。受験準備のための学習が、ただ合格させるためだけでなく、小学校入学後に始まる教科学習の基礎になっていけば、これほどよい子育てのチャンスはないと思います。こうした考え方で、これからの受験準備に取り組んでください。

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