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週刊こぐま通信
「今何を学習すべきか」

数 応用27 置き換え・交換・消去2

2009/10/2(Fri)
 今週は「置き換えを使ったシーソーのつりあい」についてみていきましょう。幼小一貫論理育成問題集「置き換え・交換・消去」の中に、次のような問題があります。

 上のシーソーを見てください。モモ1個とリンゴ1個、メロン1個とリンゴ2個、スイカ1個とリンゴ3個がそれぞれ同じ重さでつりあっています。このとき下のシーソーの左にいろいろなものをのせたとき、シーソーの右にの中にかいてあるものを何個のせればつりあいますか。その数だけシーソーの上のをかいてください。


解答
上段左から 4個、6個、 中段左から 6個、5個、 下段左から 2個、3個

 この問題では、いろいろなところで置き換えを行っています。ひとつひとつ問題を見ていきましょう。上段の左の問題は、メロンとリンゴを比べている単純な一対二対応ですから、すぐに4個という答えが出てくると思います。
ところが右の問題は、メロンとモモを比べていますから、一見すると難しい問題のように思えます。しかし、点線枠内左のシーソーを見るとモモ1個とリンゴ1個は同じ重さですから、モモをのせるのもリンゴをのせるのも、同じことだと言えます。メロン3個分はリンゴ6個ですから、モモも6個のせればいいのです。つまりここでは、簡単な置き換えですがモモをリンゴに置き換えたことになります。

中段の2題も同じように、モモをリンゴに置き換えればスムーズに考えることができます。左では、スイカ2個分はリンゴ6個、メロン1個とスイカ1個はリンゴ5個分ですから、それぞれモモ6個と5個になります。下段右の問題も、モモが9個と数が多いのですが、これをリンゴと考えれば、スイカ3個という答えはすぐに出てきますからそれほど難しくはないでしょう。

この問題で本格的に置き換えを使って考えなくてはならない問題は、下段左の問題です。ここではメロンとスイカを比べています。この2つの物は点線枠内の例を見ても直接に比べてはいません。メロンとリンゴ、スイカとリンゴは比べています。ここから両方にリンゴが共通していますから、このリンゴを中心に考えていけばいいことがわかります。まずメロン3個はリンゴ6個と同じ重さです。ここは一対多対応です。次に、そのリンゴ6個はスイカ2個になります。これは包含除の考え方です。このことから、メロン3個=リンゴ6個=スイカ2個となり、メロン3個=スイカ2個ということが言えます。つまり、リンゴ6個を仲立ちにして、メロンとスイカの関係性がついたことになります。

このように「置き換え」は、あるものを仲立ちにして、それまでになかった物の関係性をつけることです。子どもはこうした問題に関して、直感で判断してしまうことが多くあります。ですから、「どうしてそうなったの?」と必ず理由を言語化させてください。そのことにより置き換えを意識化することができます。また、そのことが筋道を立てて考えていくトレーニングになると思います。

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