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週刊こぐま通信
「今何を学習すべきか」

数 応用25 数の複合3

2009/9/18(Fri)
 今週は、先週と同様に数の一対多対応に関する複合問題について考えていきましょう。
「ひとりでとっくん63 数の複合」 の中に次のような問題があります。

 黒いボタンを1回押すとカップ2杯分のお湯が出ます。白いボタンを1回押すとカップ3杯分のお湯が出ます。

  • 黒いボタンを4回押すとカップ何杯分のお湯が出ますか。その数だけ上の部屋にを描いてください。
  • 白いボタンを3回押すとカップ何杯分のお湯が出ますか。その数だけ真ん中の部屋にを描いてください。
  • 白いボタンを4回押した分のお湯を出すには、黒いボタンを何回押せばよいですか。その数だけ下の部屋にを描いてください。
解答
8個、 中 9個、 下 6個

 以前これと同じような問題が、ある小学校で出題されました。それは、「白いボタンを2回押す分だけお湯が欲しいと思いましたが、白いボタンが壊れていたので黒いボタンを押して出すことにしました。黒いボタンは何回押せばよいですか」という問題でした。このように出題されると問題は格段に難しくなってきます。まず、白いボタンを2回押すと何杯分のお湯が出るか(一対多対応)ということを出さなくてはなりません。その後で、その分のお湯を出すには、黒いボタンを何回押すか(包含除)を考えます。この問題は、一対多対応と包含除の複合問題なのです。このように書くとやさしそうに思いますが、この解答の道筋を実際に考えていくことが子どもたちにとっては難しいのです。「何回押すと何杯出ますか」「何杯分出すには何回押せばよいですか」というように、問題が分かれていれば多くの子は解けるかもしれませんが、この問題だけで解答に導いていくには、かなりの論理的思考力が必要とされます。

このような問題をスムーズに解いていくために、上記の問題をつくりました。1・2で一対多対応の練習を十分に行い、全体で何杯になるかは一対多対応を行えばいいことをしっかり理解します。そして、3 では一対多対応を踏まえ、包含除の練習を行います。包含除はわり算の考え方です。白いボタンを4回押すと、必要なお湯の量は3杯ずつ4回分で12杯になります。これを黒いボタンで出すのですから、12杯を2杯ずつに分けて、6回押すというのが正解になります。数が多くなり、暗算で解いていくことは少し難しいかもしれません。そうしたときは、おはじきなど具体物を使って練習してください。

数の複合問題は、このように一対多対応に関連する場合が多くあります。それは一対多対応が、(1あたり量×いくつ分=全体量)というかけ算の考え方の基礎になっているからです。異なる種類のものをそれぞれ一対多対応で全体量を出し、それぞれの全体量を一対多対応で求めたあと、それを比較して数の多少を考える問題や、数が減ったり増えたりしたあとで全体量を求める問題など、さまざまな場面で一対多対応が関連してきます。したがって、しっかり一対多対応の練習をすることが数の複合問題のポイントになります。

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