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週刊こぐま通信
「今何を学習すべきか」

数 応用15 数の一対多対応9 一対多対応と数の増減についての複合問題

2009/7/3(Fri)
 今回は、前回よりやや難しい「一対多対応と数の増減についての複合問題」を考えていきたいと思います。
「ひとりでとっくん35 一対多対応」 の中に次のような問題があります。

 お母さんがクッキーを16枚焼いてくれました。2枚ずつ箱に入れてプレゼントにしたいと思います。お家には箱が5箱ありましたが、それでは足りません。後いくつ買ってくればいいですか。箱のお部屋に、赤いを描いてください。
解答:3個

 この問題は、一対多対応 → 数の増減 → 包含除と3回の数の操作を必要とする問題です。まず、クッキーを2個ずつ5箱につめますから、ここで10個のクッキーを使います。(一対多対応)そこで、はじめの16個の中から10個を取ると6個残ります。(数の増減)最後に、その6個を2個ずつ箱に入れていくのですから、箱は3箱必要です。(包含除)

このように順序正しく考えていけば答えに行き着きますが、この道筋を考えていくことがすんなりとは行きません。問題をよく聞かず、ここにあるクッキーを5個の箱に同じ数入れると1箱にいくつ入るかという問題だと考えてしまう子がいます。また、1箱に2個ずつというところを聞いて、「1箱に2個ずつ入れ、余りを求める」問題だと勘違いして、6個と答えを出す子もいるでしょう。しかし、この問題では、さらにもうひとつ先の事がらも聞いています。余ったクッキーを箱に入れなくてはなりません。このように、一対多対応と組み合わされる単元が、数の増減や数の多少などのたし算、ひき算に関連するものよりも、等分、包含除などのかけ算、わり算につながっていく考え方の方が難しいということがいえるのです。

ここでもうひとつ問題になるのは問題の聞き取りです。子どもはいろいろな問題を経験していくと、問題を見たときに自分で「これはこういう問題だ」と思い込んでしまうことがよくあります。このように問題をパターン化してしまうことから間違いが始まります。

最近の問題は、以前のように「分類計数」だけとか「同数発見」だけとかいう単純な問題はあまり出されていません。1問の中にいろいろな要素の入った「数の総合問題」や、この問題のようにいくつかの要素を組み合わせて答えていく「数の複合問題」が多くなっています。ですから、問題をしっかりと聞くことが大切です。

問題をよく聞くということは場面をイメージすることです。この問題でいえば、クッキーを2個ずつ箱に入れているところや、箱が足りなくなってそれを探している場面などが頭の中で浮かんでくれば大丈夫です。そうすれば、必然的にどのような数の操作をしたらいいのかが分かってくると思います。

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