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週刊こぐま通信
「今何を学習すべきか」

数 基礎34 数の一対多対応2 かけ算の考え方2

2009/5/15(Fri)
 前回は、かけ算の元になる「一対多対応」の基本的な考え方について考えていきました。その中でかけ算は、(一当たり量)×(いくつ分)=(全体量)になるというお話をしました。今回はこの中の「一当たり量」の考え方について見ていきましょう。
「ひとりでとっくん35 一対多対応」 の中に次のような問題があります。

 5人の子どもが三輪車に乗って遊んでいます。タイヤの数は全部でいくつありますか。その数だけ下のお部屋に青いを描いてください。

解答
青い 15個

 一当たり量というのは、将来「20平方メートルのところに15人の子どもがいる場合と、10平方メートルのところに8人の子どもがいる場合では、どちらが混雑していますか。」のように混雑具合を1平方メートルという単位当たりの人数で比べることに発展していきます。しかし、幼児の場合で言えば、ひとつひとつのものが同じだけ持っているものが理解できるかどうかということになります。この場合は、三輪車のタイヤの数が一当たり量です。三輪車ですから、1台当たりに3個ずつタイヤがついています。ですからこの場合は、3個ずつ5回をつけて、全部で15個になるのです。

このように一あたり量を捉えさせるには、初めはこのような一当たり量が決まっているものが考えやすいのです。特に、乗り物のタイヤは子どもたちにとって身近ですし、自転車は1台に2個、三輪車は3個、自動車は4個とそれぞれタイヤの数が決まっているので、学習するには最適の素材なのです。
このタイヤのほかにも、一当たり量がいつも決まっているものがあります。例えばウサギの耳、イヌの足、カブトムシの足などです。このことを使って次のような質問をして、一当たり量についての練習をしっかり行ってください。

ア) ウサギが4匹います。耳の数は全部でいくつですか。を描いてください。(2個ずつ4回かく)
イ) イヌが3匹います。足の数は全部でいくつですか。を描いてください。(4個ずつ3回かく)
ウ) カブトムシが2匹います。足の数は全部でいくつですか。を描いてください。(6個ずつ2回かく)

このように、初めは一当たり量がきちんと決まっている場合について練習して、その後一当たり量が設定によって変わるものを練習してください。

しかし、こうした問題では何が一当たり量であるかを探すことはなかなか難しいのです。

(1) お客さんが5人来ました。ひとりに3個ずつお饅頭をあげるには、お饅頭はいくついりますか。
(2) ひとりに3個ずつ5人のお客さんにお饅頭をあげるには、お饅頭がいくつあればいいですか。

どちらも同じ問題ですが、(1)では一当たり量を後に言い、(2)では先に言っています。このようにどんな聞かれ方をしても、すぐに一当たりが理解できなければなりません。

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