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週刊こぐま通信
「今何を学習すべきか」

数 応用11 数の増減 数の変化を考える その8 約束による数の増減

2009/4/24(Fri)
 「ひとりでとっくん46 数の増減」 の中に、次のような問題があります。

 下のお部屋をよく見てください。のトンネルを通ると数が1増え、のトンネルを通ると2増えます。のトンネルを通ると1減り、◇のトンネルを通ると2減ります。では、左に並んでいる数が今のお約束でトンネルを通るとどうなりますか。それぞれの一番右の部屋にを描いてください。
解答
上段から、4個、1個、5個

 これは、それぞれのトンネルを通ったときに数がどのように変化するかを問う問題です。例えば一番上の問題であれば、4をにいれたのですから、数は1増えて5になって出てきます。それをに入れれば、数が1減って4になります。そして、を通り、数が2増えて6になり、最後に◇を通ると2減って4となります。

こうした問題でよく次のような質問を受けます。
「途中の印を見て、は+1、は-1、は+2、◇は-2だから、全部あわせると0になり、変化がないのだから一つ一つやらないで、最初からを4個描いてはどうですか」

確かに結果を見ればそうなのですが、それは大人の考え方で、子どもにとっては変化をいったん置いておいて、その途中のものだけを改めて見直すことは難しいことなのです。それに、こうした問題は結果も大切ですが、その結果にいたるまでどのように考えたか、という過程が大切なのです。できればひとつひとつていねいにおはじきを出し入れして考えていくといいと思います。

こうした問題で最もよく間違えることは、結果と変化とを混同してしまうことです。子どもは、のトンネルを通ると1増えるという約束がうまく理解できずに、上の例を見て、からは3が出ているので何を入れてもを出ると3になってしまうと考えてしまうのです。こうした変化をしっかりと捉えるためには、例えば「のトンネルの中にいい人がいて、そこを通ったとき、その人がひとつくれる。また、の中には悪い人がいて、そこを通ると、ひとつとられてしまう。」というように、具体的に考えるといいと思います。

子どもたちにとって、このように変化を捉えることは難しいことなのです。しかし、変化をおはじきで出し入れするという体験を繰り返し行うことで、そのことが頭の中に残り、イメージ化されて少しずつ論理的思考力がついてくると思います。

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