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週刊こぐま通信
「今何を学習すべきか」

数 基礎30 数の増減 数の変化を考える その5 増加と減少

2009/3/28(Sat)
 ここまで数の増加、数の減少について触れてきましたが、今回はそれらを合わせた数の増減について考えていきたいと思います。「ひとりでとっくん46 数の増減」 の中に次のような問題があります。

上と下のそれぞれの部屋を見てください。左の部屋から右の部屋まで、矢印のように数が変わっています。増えたときにはを減ったときには×を、その数だけ矢印の下の部屋に描いてください。
解答
上段(左から)×3個、4個  下段(左から)×4個、2個

 これまでは数が1回変化するもののみを考えてきましたが、今回は数が2回変化するものに関して扱っていきます。数の増減の問題は話を聞き取って考えていかなくてはならないのですが、この問題は数の増減の問題を考える前提条件として、数が増えたこと、減ったことが具体的に捉えられるように、絵を使って練習していきます。

上段の問題を例にとって考えてみましょう。はじめに砂場で6人のお友だちが遊んでいます。次の場面では3人になっています。つまり3人減ったことになります。さらに最後の場面では子どもが7人になっていますので、4人増えたことになります。

ここでは簡単に3人減ったとか4人増えたと言っていますが、これを子どもが捉えることがなかなか難しいのです。はじめの3人減ったということを理解するためには、はじめの場面と真ん中の場面を比べなくてはなりません。子どもは結果について注目するのですが、その過程を理解することはあまり得意ではありません。前の場面は前の場面、次の場面は次の場面とそれぞれで見てしまい、つながっていないで切れてしまっているようです。2つの場面を時間の流れを意識してつなげて考えることがうまくできないのです。ですから、ここで→の下の□には減った数の4つの×を描かなくてはいけないのですが、数が変化した後の場面の3人の子どもだけを見てを3個描いてしまうのです。

場面をつなげて考えられるようにするにはどうしたらいいのでしょうか。はじめの場面と次の場面を良く見て、どこが違うのかを良く見ることです。私たちは教材の中でここがつながりやすいように、そこに出てくる人をできるだけわかりやすく描いています。真ん中の絵には3人の子どもが描いてありますが、よく見るとこの3人は前の場面で左上の砂山のそばにいる子どもたちです。その3人の子たちは残ってまだ遊んでいますが、他の子たちは帰ってしまったと考えます。この場合いなくなってしまった子どもをイメージしなくてはならないので難しいのです。もし場面の変化が読み取れなかったときは、2番目の場面だけに注目させて「はじめにたくさん子どもがいたのに、どうして3人になったのかな」などと問いかけてみるといいと思います。

増減の問題はかなり現実生活に密着した問題が多いのです。増えること、減ることがどのような場面なのか、しっかり言語化できることが求められると思います。
さらに今回は変化の場面が2回ありますから、それを捉えることはなかなか難しいと思いますが、ひとつひとつの場面をしっかり考えていくといいでしょう。それについては次の回でお話ししていきましょう。

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