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週刊こぐま通信
「今何を学習すべきか」

数 応用8 分類計数9 分類概念と計数

2008/10/03(Fri)
  前号では、「上位概念と下位概念」に関する分類計数の問題について触れてきましたが、今回は、同様に分類の範囲と計数について見ていきたいと思います。「ひとりでとっくん17 分類計数2」 の中に次のような問題があります。

(1) 何にも持っていない子どもは何人いますか。その数だけ星の部屋にをつけてください。
(2) 右手に荷物を持っている子は、何人いますか。その数だけハートの部屋にをつけてください。

解答
星の部屋・・・3、 ハートの部屋・・・5

 この問題は、(1)の荷物を持っていない子の数を数えることはそれほど難しい課題ではありません。しかし、(2)の右手に荷物を持っている子を探す問題は、数の領域だけでなく、「右手―左手」という位置表象の領域の考え方と関連してきます。この問題の場合、子どもはみんなこちらを向いていますから、右手は向かって左手側にあるので、難易度は高くなります。しかし、自分の右手を意識して、荷物を持っていることをイメージすればよいと思います。

このように数の問題を行っているときに、他の領域の考え方を用いなければならない場合も多くあります。分類計数の問題は、数えるものを限定していくためにいろいろな条件設定が必要になってくるからです。この条件設定のところに位置や分類の考え方が求められるのです。こうした課題を正しく解いていくためには、条件をしっかりと聞き取り、それに合うものをたくさんのものの中から探していかなければなりません。
そのように考えていくと、次のような問題は、図形と分類の考え方を合わせた問題といえます。

(1) ひし形はいくつありますか。その数だけリンゴの部屋にをかいてください。
(2) 白い形はいくつありますか。その数だけミカンの部屋にをかいてください。
(3) 角のない形はいくつありますか。その数だけブドウの部屋にをかいてください。

解答
リンゴの部屋・・・6、 ミカンの部屋・・・12、 ブドウの部屋・・・12

これは前出の問題よりもかなり難しくなっています。たとえば(1)のひし形の数を数えていく際には、白いひし形と黒いひし形両方を数えていかなくてはならないからです。この場合、色は考えず形に注目しなくてはなりません。反対に(2)の白い形を数えるときは形を考えずに、色だけを見なければなりません。さらに、(3)の問題は、角のない形として、丸とひょうたんのような形の2つに注目しなければなりません。それも、白も黒も両方数えなくてはならないためとても大変です。いろいろな条件の中からひとつの条件だけ捕えて考えていくことは、仲間集めなどをしていく上では必ず求められる重要な考え方です。「分類計数」を行っていくことで、こうした考え方が高められるのではないでしょうか。

分類計数はひとつの形を数えるだけでも、間違えの多く出る課題です。それが2種類以上の形を数えていくのですから、その分誤答も増えます。条件に合う形を端からひとつひとつ数えていくことが普通に行われる方法ですが、たとえば(3)の問題であれば、まず丸い形だけを数えて、その後ひょうたんのような形を数えていく、などの工夫も必要になってくるのではないでしょうか。

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