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週刊こぐま通信
「今何を学習すべきか」

常識17 社会的常識1

2008/02/22(Fri)
 これまでは、理科的常識について書いてまいりましたが、ここからは社会的常識・一般常識について考えていきたいと思います。今回は、社会的常識の中の道徳的判断を見ていきます。
「ひとりでとっくん53 常識」の中に次のような問題があります。

 電車のホームです。いけないことをしている人に×をつけてください。(なぜいけないのか、お話ししてください。)
(正解)
左側ホーム端に立っている女の子、真ん中のふざけている男の子2人、右奥の前の子を押している男の子に×

 こうした公衆道徳については、電車のホームだけでなく、公園・電車内など公共の施設の中での行動が問題に取り上げられます。私立の小学校では、遠方から多くの子がバスや電車に乗って通学しています。2008年度の入試問題にも、ホームや電車内でのマナーについての問題がいくつか見受けられました。通学してくる子どもたちの安全を図る意味でも、こうした問題が多くなっているのでしょう。

この問題では、いけないことをしている子を探すことは、比較的容易にできると思います。ポイントは、その子を見つけるだけでなく、なぜその行為がいけないのかという理由をきちんと言語化できるかどうかだと思います。そのため、道徳的判断の問題が、個別テストや面接の中で多く出されているのでしょう。

道徳的判断のポイントは、「人に迷惑がかかるかどうか」ということです。この場合で言えば、真ん中のふざけあっている子どもたちのどちらかが、前の人にぶつかったりすると、その勢いで入ってきた電車に接触する危険性があります。ホームの端に立っている子は、入ってきた電車に巻き込まれる恐れがありますし、前の子の背中を押している子は、その結果を考えるととんでもないことをしていることがわかると思います。危険かどうかということは、実際に危険な目にあってから考えるのでは遅いのです。事前に危険につながる行動を考えて、そうした行動を取らないことが大切だと思います。こうした問題は、正解したかどうかだけではなく、これをきっかけに、普段電車に乗るときの注意を、いろいろな場面を思い浮かべて、話しあってみるとさらに効果的だと思います。

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