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週刊こぐま通信
「今何を学習すべきか」

常識3 理科的常識3 風向き・影のでき方

2007/11/09(Fri)
 今回は風向き・影のでき方などの自然現象について考えていきましょう。
「ひとりでとっくん54 理科的常識1」の中に次のような問題があります。

<風向き>
 大きな木が、風で絵のようになっています。でも、そのほかのところでおかしいところがあります。それはどこですか。×をつけてください。

※正解
女の子の髪の毛、男の子の持っている網、花壇の右端のチューリップ、木にひっかかった風船に×

 この問題を解決していくには、まずどちらの方向から風が吹いているのかを知らなくてはなりません。木の枝が左の方になびいていますから、右から左に風が吹いていることが分かります。そうすると、風に影響されるものは全て左の方になびかなくてはなりません。このことを子どもが理解しているかどうかがポイントです。あまり外遊びをしない子は、強い風で髪がなびくとか、何かが飛ばされていくという体験は少ないのではないでしょうか。そして、たとえそうした体験があったとしても、それを踏まえて、他のものはどのように見えるかを考えていくことが不十分なのです。そこに知的自己中心といわれる幼児の思考の特色が見られます。

<影のでき方>
 この絵の中で、影のでき方がおかしいところがあります。その影にをつけてください。

※正解
猫の影、地球儀の影(地球の影の付け方、地球儀の影のないところ)、コーヒーカップの影、ドアのノブの影に

 影のでき方については、太陽のように非常に遠いところからの光は、その光源と反対の方向に影が出来ます。しかし、こうした電気スタンドなど光源が近いときには、光源を中心として、いろいろな方向に出来ます。この場合男の子や椅子、テーブルの影は左側に出来ていますが、壷は光源の右側にありますから影は右に出来ます。このため風向きよりもやや難しくなります。しかし、猫の影やコーヒーカップ、ノブの影はまったく違いますから気がつくはずです。

 「風向き」にしても「影のでき方」にしても意外に出来ない子どもが多いのですが、これができるようになるためには、ペーパーの練習だけなく、子どもたちの日常の現象に目をむける機会を増やすことが大切だと思います。「影って不思議ね」、「風ってどうして吹くのかしら」などという素朴な疑問を子どもに投げかけ、こうした自然現象一つ一つに好奇心を持たせて、その様子をじっくりと観察する機会を増やしてください。そして、その後にペーパーで知識をまとめてください。

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