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週刊こぐま通信
「今何を学習すべきか」

推理 基礎2 魔法の箱(2)

2007/08/17(Fri)
 今週も「魔法の箱」について考えていきましょう。「魔法の箱」の中でも最も難しい課題は、数の変化を扱ったものです。下に「星の箱」と「月の箱」があります。この2つ箱の法則性の違いを理解できるでしょうか、考えてください。

(正解:6個)
(正解:8個)

 「星の箱」では、2個のリンゴが箱を通ると4個になりますから、数が2個増えています。また、3個入れたときも5個になりますから、ここでも2個増えていますから、この「星の箱」の約束は、「数が2個増える」ということなのです。
 これに対して、「月の箱」は、2個のリンゴが4個になるのは前と同じです。しかし、次の3個のリンゴを入れたときは、6個になって出てきます。ここでは3個増えているのです。つまり、「決まった数増える」のではなく、2個入れたら2個増え、3個入れたら3個増えていますから、「倍になっている」ということが考えられます。しかし、子どもには、倍という概念はありませんから、「入れた数と同じだけ増える」と考えます。
 例示されたリンゴの数の変化から、このふたつの違いを読み取ることは、子どもにとってかなり大変なことでしょう。そこで、まずはひとつの箱に対して2つの例が出ていますから、そこから共通性を考え、法則性を発見していきます。どちらの箱もリンゴを2個入れた場合の結果は同じですが、3個入れた場合の結果の違いから法則性の違いを捕らえられるかどうかがポイントです。
 同様に数が減る場合も、下の「太陽の箱」(2個ずつ減る)と「傘の箱」(半分になる)のように定数減る場合と、半分になる場合とがあります。

(正解:6個)
(正解:4個)

 この場合も、4個入れて2個になって出てくるのは同じですが、6個入れたときには出てくる数が異なります。前者は4個になり、後者は3個になります。「倍になる」よりも、「半分になる」方が、子どもにとって「はんぶんこにする」と言う現実的な場面がイメージできて、わかりやすいのではないでしょうか。
 しかし、子どもにとってこの「魔法の箱」はなかなか難しい課題です。この理由は前回にもお話ししましたように、子どもは変化の過程を捉えるよりも、その結果だけに目がいってしまうことが多いからです。例えば、「太陽の箱」の初めの変化について子どもに言語化させようとしても、「2個減った」と正しく言える子は多くはいません。ただ「2個になった」と言います。箱から出てきたものだけが気になり、前のものと後のものを比較しようとはしないのです。しかし、それではこの問題は解けません。常にどのように変わっているかを考えさせるようにしてください。つまずいたら、まず現実的に理解させるために、おはじきを使って練習しましょう。それがしっかりできるようになったら、「ひとりでとっくん41 魔法の箱」 でトレーニングしてください。

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