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週刊こぐま通信
「今何を学習すべきか」

言語 基礎11 お話づくり3 登場人物の気持ち

2007/06/22(Fri)
 前回は、「登場人物のせりふ」について考えました。今回は、「登場人物の気持ち」について考えみましょう。
 登場人物の気持ちを考えることは、お話の内容を豊かにしていく上で、とても大切なことです。今回も「こぐまお話づくりカード」 の中から、以下の4枚のカードを使って考えていきましょう。

A
B
C
D
 上の4枚の場面をそのままお話しすると、次のようになるでしょう。

 「女の子がお母さんと一緒にスーパーマーケットへお買い物に行きました。お買い物をしていると、女の子は何かおいしそうなものを見つけました。それを取りに行って帰ってくると、お母さんがいません。あちらこちらを探して、やっと見つけて、走ってお母さんのところに行きました。」

 ここから、さらに内容豊かにしていくためには、一つ一つの場面で子どもに質問して、登場している子どもがどんな気持ちだったかを考えさせるとよいと思います。特に、こうした「買い物」のような題材は、子どもにも考えやすいと思います。お母さんと一緒に買い物に行った体験から、場面を思い起こしやすいからです。
 それでは、具体的に1場面ずつ考えてみましょう。

 まずAの場面では、子どもはお母さんのスカートをつかみながらもどこかを見ています。こうした子どもの動きに注目させて、「この子は何を見ているのかな?」などと問いかけてください。「こっちのほうに何か面白そうなものがある。」と言ったら、「それは何かな、あなたもスーパーでお買い物をしたときにほしいものあった?」などと、子どもの体験を思い起こせるように聞いてください。「うん、チョコレートが欲しいと思っていったけど、そのときお母さんは買ってくれなかったよ。」などと思い出すかもしれません。
 次にBの場面では、「おいしいものが見つかったみたいだね。この子はどんな気持ちかな?」、「うれしそうだよ。」
 そして、Cの場面では、「あれどうしたのかな?この子泣いているよ?せっかくおいしいものが見つかったのに。」などと聞いてください。「きっと迷子になったんだよ。かわいそう。」と言ったら、もし以前にそうした体験があれば、「迷子になったときどんな気持ちだった?」など、子ども自身の体験から気持ちが理解出来るように質問するとよいでしょう。
 そして、最後のDの場面では、「やっとお母さんが見つかったよ。この子なんて言っているのかな。」「『お母さん』と言って走っているよ。よかった。」と素直に気持ちを言い表せると思います。

 ポイントは、話に出てきた登場人物になりきって考えていくことです。もし自分がこの子の立場だったらどう思うのか、どんな行動に出るかを考えていくと、自然と内容豊かになってくると思います。特にストーリーを振り返って、お話をし直すことはしなくてもよいでしょう。一つ一つの場面において、登場人物の気持ちを考えていくことが大切だからです。これを積み重ねて習慣化していくようにしましょう。

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