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週刊こぐま通信
「学習相談Q&A」

【質問63】

2007年9月28日 回答
受験生の皆さまの学習相談に、こぐま会室長がお応えします。

 先週基本クラスでまとめをした数領域の入試問題は、他の領域と比べて出題が一番多いと聞きますが、最近の傾向を踏まえ、どんな点に注意をしてまとめをしたら良いのかアドバイスをお願いします。

 数領域の問題は、将来の算数科につながる内容として、入試では一番多く出されます。この領域の学習課題は、集合数の基礎としての「分類」と、四則演算の基礎としての「数の操作」の2つに分けることが出来ます。もちろんそのほとんどが「数の操作」ですが、分類課題も昔から「仲間集め」「仲間はずれ」としてよく出されてきました。

数の操作については、次のようにまとめて考え、学習するのが良いと思います。

(1)数の基礎として分類計数・数の構成
(2)足し算・引き算につながる内容として数の多少・数の合成・数の分解・数の増減
(3)掛け算・割り算につながる内容として一対多対応・包含除・等分
(4)総合問題として複合問題

すべての観点から入試問題は考えられていますし、同じ計数の問題でも、ばらばらのものを整理して数えるだけでなく、規則性を踏まえて隠れた数も意識して数えなくてはならない問題もありますから、どの単元の問題がやさしくてどの単元の問題が難しいということは単純にはいえません。ただ、一般的には上記の分け方でいえば後半に行くほど難しくなっています。
小学校入学後の学習内容からすれば、足し算・引き算の世界と掛け算・割り算の世界とではやはり後者の方が難しいわけです。そこで、最近では「一対多対応」「包含除」に関する問題や「複合問題」のように、ひとつの答えを出すために違った数の操作をしなくてはならない問題が増えています。たとえば、「数の増減と一対多対応」、「一対多対応と数の多少」というように、一度出した答えに基づいてまた違う数の操作をしなくてはならない問題は、今後とも多くなっていくはずです。

そのため、「暗算」能力は相当高めておかなくてはなりません。限られた時間内に答えを出さなくてはならない入試の場合、紙に丸を書いて考えたりする時間はありません。簡単なものは暗算で答えを出し、その答えに基づいて違う数の操作をする必要があります。最近、「話の内容理解」の中で、数について問われるケースが増えています。そうした際にも、暗算能力は必要です。10以内の数の操作については、暗算で答えが出せるように練習してください。

一場面を使った総合問題については、遠足の場面であったり,ホームパーティーの場面であったり、公園の場面であったりいろいろです。その場面の登場人物を使って、さまざまな数の質問がなされますが、3~4問ある質問は大体次のような構成になることが多いものです。

  1. 数の多少
  2. 数の構成
  3. 数の増減
  4. 一対多対応

一場面を使った数の総合問題で難しい点は、最初の問題から線を引いたり丸をつけたりペーパー上で作業をすると、最後の問題を解く際に線や丸がごちゃごちゃしていて作業自体ができなくなってしまうということです。そのためには、易しい問題は暗算で解くか、線の引き方や丸の描き方を工夫することが必要です。

一場面の絵を使った問題で難しいのは、お話によって今ある場面が変化してしまうということです。たとえばお話によって人数が増えたり、そこにあるものの数が減ったりし、その上で設問がなされるということです。絵に描いてあるものの数が変化し、その上でお話に沿った数の操作をしなくてはならなくなると、子どもたちはかなり戸惑います。 最近の入試問題はそうした工夫をして問題をより難しくしていますので、どのように作業するか、繰り返し練習しておかなくてはなりません。

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