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週刊こぐま通信
「学習相談Q&A」

【質問57】

2007年9月7日 回答
受験生の皆さまの学習相談に、こぐま会室長がお応えします。

 面接や願書が重視されるのではないかというお話を伺いましたが、なぜでしょうか。また、どんなことに気をつけたら良いのでしょうか。

 最近のセミナー等で、今後面接や願書がこれまで以上に重視されていくのではないかという話をしてきました。それは、決してこれまでは重視されていなかったという意味ではなく、これまでにない問題を抱えることになった学校側が、入試に際して願書の内容や面談を重視せざるを得ない状況が出てきたという意味においてです。

 その最大の理由は、学校の教育方針を十分理解しないで入学させてしまう家庭が増えているということです。違う言い方をすれば、家庭の教育方針と学校側のそれにずれが生じ、学校側が長い時間をかけて作り上げてきた「校風」が崩され始めているということです。

 学校と家庭とを結ぶ連絡帳でのやり取り、通学途中で起こるさまざまなもめごと、学校の行事に参加する保護者の意識の変化、学習方法や担任に対する不満・・・その結果として起こる学校と家庭の意見の相違による衝突。昔からあったことだとは思いますが、社会全体として起こりつつある、保護者と学校側との力関係の変化は、決して公立だけの問題ではありません。

 6年間の初等教育に対する期待より、将来の受験のために有利か不利かを考え、さまざまな要求を突きつける保護者が増えてきていることは事実なようです。その学校独自の教育方針に賛同するというより、世間で言われている学校の評価でしか学校選択の判断をしなかった家庭が増えているということでしょうか。だからこそ、入学に際して子どもを取り巻く環境をしっかり捉えておこうと願書を詳しく読み、面談では保護者の考え方を細かく問うのです。

 こうした状況下で行われる小学校入学に際しての面接が、これまで以上に重視されていくのは当然の結果です。願書の書き方や面接の受け方のノウハウ本を読んで、「右にならえ」では、学校側が本当に知りたがっている「家庭らしさ」が伝わりません。家庭独自の考え方や子育ての工夫を伝えてこそ、その学校の教育方針とどこでどのように合致しているのかを伝えることができるはずです。私も何年間も願書の添削をしてきましたが、ひとつひとつの項目については丁寧に問題なく書けていても、読み終わったあとその家庭らしさが何も印象に残らない願書が多いのに驚いています。多分、ノウハウ本を読まれて、そつなく書いているのでしょうが、こうした願書の書き方では、学校側が知ろうとしている家庭らしさは何も伝わりません。
小学校入試に際し、唯一家庭をアピールできる願書や面接で、「こうすべきだ」、「こうしなくてはならない」と、がんじがらめになった対処の仕方では、最初から勝負はついています。学校の教育方針をよく理解し、それについての考え方や家庭で実践している子育ての工夫を具体的に伝えることが、願書や面接の最大のポイントであることを良く理解してください。

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