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週刊こぐま通信
「学習相談Q&A」

【質問49】

2007年8月3日 回答
受験生の皆さまの学習相談に、こぐま会室長がお応えします。

 数のやり取りの問題がまだ十分理解できていないようです。どのような学習をすれば良いのでしょうか。

 数のやり取りには2つのパターンがあります。そのひとつは、違う数を同数にするにはどうしたらよいかというもので、もうひとつは、同数からやり取りすると数の違いがどうなるかというものです。具体例を挙げると、次のようになります。

小屋の中に4匹 小屋の外に8匹のウサギがいる
小屋の中と外のウサギの数を同じにするには、外のウサギを何匹小屋に入れればよいか。その数だけ丸を書く

裏が白色の赤い碁石を使う。最初は赤が5個、白5個で並んでいる
赤を2つひっくり返してください。白は赤より何個多いですか

 いずれも雙葉小学校で出題されたものですが、後者の問題に間違いが多く見られます。この場合、赤を2つひっくり返したのだから、白が2個増えたと考えてしまうのです。増えたほうの白だけに目がいき、赤が2個減っているということに気づかないのです。このように、子どもたちにとって2つの観点で同時に物事を考えることは難しいのです。白が2個増え赤が2個減ったことを同時に捉えられれば、その差が4個になることは理解できるのです。このように「数のやり取り」の問題は、数を比較する問題ではありますが、同時に幼児の思考力を問う大変重要な問題でもあるのです。別な観点に立って物事を捉えられるかどうかが問われているのです。

 さて、この数のやり取りを解決する方法ですが、じゃんけんゲームをやってください。お母さんと子どもが5個ずつおはじきを持ち、じゃんけんします。この際、勝ったほうが負けたほうから1個もらうというルールを決めます。最初は1回じゃんけんをしたらそこで「どちらがいくつ多くなりましたか」と問いかけてください。たとえばお母さんが勝った場合、「お母さんが、私より2個多い」といえるかどうか。学習し始めのころは、「お母さんの方が私より1個多い」ということが多いと思います。そうしたら、手の中に隠しておいたおはじきを、机の上に並べて比べさせてください。お母さんは6個になり、自分が4個になったことがわかれば、違いは2個とわかるはずです。お母さんが1個増えただけでなく自分の方が1個へったという事実に気づかせることがポイントです。

 次は、続けて3回ぐらいやってください。3回の勝ち負けを踏まえ、数を比較することが出来るかどうか。最初の2回で、1勝1敗であれば、その時点では数は変わらないということも含めて理解できるかどうかを見てください。そして、次はルールを変えてください。勝った方が負けたほうから2個もらうという約束で、行ってみてください。1回行ってそこで数の違いを問う場合と、2回続けて行う場合と、分けて行ってみてください。

こうしたゲームが「数のやりとり」の考え方を育てる良い経験になると思います。

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