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週刊こぐま通信
「学習相談Q&A」

【質問41】

2007年7月6日 回答
受験生の皆さまの学習相談に、こぐま会室長がお応えします。

 ペーパーテストは自信を持っているようですが、お話づくりが苦手のようです。家庭ではどのような練習をすれば良いでしょうか。

 お話づくりは、言語領域の「話す力」の基礎として重視されていますが、テスト形式が口頭でのやり取りとなるため、すべての学校で出されるわけではありません。個別テストの多い学校では、よく出される課題です。しかし、国全体の教育の方向を示す「新学習指導要領」が、国語力に力を入れ、論理的思考力を育てる方針を打ち出していますので、今後「お話づくり」に代表される「話す力」は小学校入試においても重視されていくはずです。お話づくりの形をとらなくても、行動観察時に「会話力」や「説明能力」をみる問題は増えていくはずです。また、最近の口頭試問は、聞かれたことに対してただ練習したとおりに答えれば良いのではなく、答えた内容に対してまた新しい質問が課せられるといったように、会話形式で進むことが増えてきました。ですから、どんな形になるにせよ、自分が考えていることを言葉で表現することは重視されていくはずですから、十分な対策が必要です。

 さて、お話づくりに関してですが、以前は4枚の絵カードを使い、時間的経過に沿って並べさせ、それに基づいてお話をつくるという形式がほとんどでした。しかし、最近では、4枚が3枚に減り、3枚が2枚に減り、そしてまた1枚だけの絵を使ってお話をつくるという形式が増えています。

 子どもにとっては、1枚だけの絵を使ったお話づくりは、4枚の絵を使ったお話づくりより難しいようです。1枚の絵をもとに、その前はどうだったんだろう、そのあとはどうなるんだろうといったように、1枚の絵の前や後をイメージする力が求められているからです。また、表情の変化だけを読み取ってお話をつくる問題も入試問題として取り上げられています。笑っていた子が泣いたり、泣いていた子が笑ったりする変化の原因を考えてお話をつくるものですが、こうした課題では、どれだけ自分の経験をお話づくりに生かすことが出来るかどうかが問われています。

 お話づくりの出来不出来には個人差がありますし、子どもの性格に起因する面も多くあります。しかし、トレーニングによってある程度解決できます。私たちが教室で実践しているプログラムは次のような順序で考えていますので、家庭学習の際にも参考にしてください。

  1. 動きを表す言葉を使って、短文をつくる
  2. 絵を使う前に、人形や具体物を使ってお話を自由につくる
  3. 4枚の絵を時間的順序に並べ、お話をつくる
  4. 2枚の絵の変化を読み取り、なぜそうなったのかを考えお話をつくる
  5. 1枚の絵を見て、その前後関係を考えながらお話をつくる

 すべての前提は、話すことに自信を持つことですから、お話づくりの大前提として「会話力」を高める経験をたくさん持たせてください。

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