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週刊こぐま通信
「学習相談Q&A」

【質問36】

2007年6月15日 回答
受験生の皆さまの学習相談に、こぐま会室長がお応えします。

 最近の入試では、いろいろな場面で「話す」機会が多いようです。うちの子は、初めての集団で話すことがとても苦手です。具体的にどんな場面で話さなくてはならないのか。また、どんな課題を練習したら良いのか教えてください。

 入学試験で「話す」課題がどんな形で、どんな場面で課せられるのかは、学校によってまちまちですが、整理すると次のようになります。

  1. 面接時における口頭試問
  2. 絵カードなどを使った「お話づくり」
  3. 行動観察の一つとして行わる「集団製作」時などにおける子ども同士の話し合い
  4. 製作したものや描いた絵の説明
  5. 事物の説明や二者の異同の説明
  6. 劇遊び・インタビューごっこ・なぞなぞ などの形をとった発表力

 ほかにもいろいろありますが、よく出される形式は以上のようなものです。

 口頭試問のように、一対一で質問されることについては、声の大きさの差はあっても、しっかり答えられると思います。話す課題が苦手な子の多くは、集団で行われる場合の発表力に問題が生じるのだと思います。また話す相手が大人よりも子どものほうが苦手であるという傾向も見られます。
 なぜこうしたことが生じるのかは、さまざまな原因が考えられますが、普段の生活の中にそれはあるはずです。友だちと遊ぶ機会が少なくなったことや、一人っ子が多いせいか、子ども同士で話す機会が少ないということなどを考えると、まず基本的には「話す」体験が少ないということです。こうしたことを把握している学校では、入学後最初の保護者会で会話力の弱くなった今の子どもたちのことが報告され、「まず、話す機会をたくさん作ってください。毎日30分、面と向かって話を聞いてあげてください」と話すことが奨励されるのです。

 こうした現状があるからこそ、入試でも「話す課題」が増えているのです。授業の現場でも、話す課題の出来具合には相当の個人差が見られます。しかし、経験を積むことによって相当改善されることも事実です。ある学校の入試対策として、毎回20分ほど「相談」する経験を積んできていますが、最初のうちは話すことが得意な特定な子がリードし、物事を決めていましたが、3~4ヶ月たった今では、ほとんどの子どもが自分の意見を言い始めたため、意見がなかなかまとまらず、絵を描いたり製作し始めるまでに時間がかかってしまう結果になっています。ひとつの成長の結果が、新たな問題を引き起こしていますが、これも子どもにとっては大変良い経験だと思います。

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